悟空が寝息をたてながら寝ている頃、ラディッツはチチと悟飯に謝っていた。
悟空を傷つけ、共倒れになってしまったこと、悟飯をさらって怖い思いをさせてしまったことを。
「カカロット、いや、孫悟空を、弟を、そして甥っ子を傷つけて…、本当に申し訳ございませんでした！」
ラディッツは目に涙を浮かべながら、土下座をして謝った。
するとチチは怒って、ラディッツの頬を平手打ちした。
「あ、ラディー…！」
クリスはラディッツを助けようとしたが、バーダックとギネに止められた。
「クリス、手を出すんじゃない…」
バーダックはクリスに言った。
チチはラディッツを怒鳴った。
「あんた！悟飯ちゃんをさらったうえに、悟空さを巻き込んだらしいでねぇか！！おかげで悟空さは、何回怖い思いをしたと思ってんだ！！何回悟飯ちゃんの夢を壊したと思ってんだ！！これだからサイヤ人は不良と呼ばれんだ！！！」
ラディッツは震えながら、チチを見つめていた。
鋭い目からは、大粒の涙がポロポロと滴り落ちていた。
「今度悟空さと悟飯ちゃんに手を出したら、絶対許さねぇから覚悟しておくんだな、このアホ！！たっぷり反省して、もう二度と悪いことしねぇと約束するだ！！いいだな！？」
「……わかった……。本当に、すまなかった…」
ラディッツは過呼吸を我慢して謝った。
そして、バーダックとギネ、クリスも謝った。
「オレのバカ息子が迷惑して、本当にすみませんでした…」
「ごめんなさい、チチさん…」
「ごめんなさい…」
三人はチチと悟飯に頭を下げた。
「お義父様方は悪くねぇだ…。それに、オラもつい、カッとなっちまって…」
チチは泣き出してしまった。
バーダックとギネは、泣きじゃくるチチを抱きしめた。
「悟飯君、ごめんね…。ぼくももっと早く、ラディーを止められたら…」
クリスは泣きながら悟飯を抱きしめて言った。
「ううん、もう大丈夫だよ…。ありがとう、クリス君…」
悟飯はクリスを慰めた。
悟空は涙を流しながら、黙って様子を見ていた。