次の日の朝、クリスはよっぽど疲れたのか、ベッドから出られなかった。
クリスの姿はいまだ最終形態のままだった。
慣れない最終形態と、かなりの距離を走り、見知らぬ土地をさまよったために、体が痛み、力も入らなくなっていた。
「…家出なんかしたから…、罰が当たっちゃった…」
クリスは反省した。

しばらくすると、未来の悟飯が部屋に入ってきた。
クリスを心配して、様子を見にきたのだ。
「おはよう、クリス。ぐっすり眠れたかい？」
未来の悟飯は、優しく声をかけた。
「…おはようございます…。ちょっと体の調子が…」
クリスはぐったりしながら言った。
「そうか…。ここからあそこまで、結構な距離を歩いていたからなぁ…。しかも最終形態に変身したことで、体力も消耗してるし…」
未来の悟飯が言った。
「…本当に、家出なんかしなければ…」
クリスは相変わらず自分を責めていた。
自分の軽はずみな行動で、多くの人々に迷惑をかけてしまったと。
未来の悟飯は、落ち込むクリスを慰めた。
「反省するのはいいけど、あまり自分を責めるのは良くないよ。それに、オレもクリスと出会ったことで、この仕事を見つけることができたんだ」
未来の悟飯は優しく微笑んで言った。
「…未来の、悟飯さん…」
「ん？なんだい？」
「……どうしたら、元に戻れるのかな…」
クリスは元の姿に戻りたかった。
「…そうだね…。ちょっとリラックスしてみたらどうだい？例えば、深呼吸してみるとか」
未来の悟飯が言った。
クリスは未来の悟飯の言う通り、心を落ち着かせながら深呼吸をした。
すると、クリスの体が一瞬だけ光り、いつもの第一形態に戻った。
「あ、戻った…！ありがとう、未来の悟飯さん…」
「どういたしまして。よかったね、クリス」
クリスも未来の悟飯も嬉しかった。