Dear Saiyans 61話・崩壊と悲しみのプロポーズ

バーダック達とブロリーは、地球に残された人類や動物達を、1人残らず安全な星へ避難させた。悟空達は、ベビーが復活させたツフル星へ、バーダック達は新惑星ベジータへと避難させた。
地球を離れたみんなは、崩壊していく地球の無惨な光景に涙を流していた。
「家を失くしたようなものだ……。無理もないだろう……」
ブロリーはため息をついた。鋭い眼光を放つ白眼からは、今や伝説の超サイヤ人らしかぬ哀しみと慈愛に満ちていた。
そして、最後の1人が救出された。

もう地球には、生き物…虫一匹、魚一匹もいない。誰もいなくなった大地が割れ、火を吹き、藻抜けの殻となった海が渦巻き沸騰し始めた。荒れ狂う風と波……、真っ赤な空を走る無数の稲妻……、血のように吹き出すマグマ……。それはまさに、地球が痛みに悶え苦しんでいるような様だった。
だが、悲しみはそれだけではない。なんとピッコロが、悟空に最後の力を分けて、1人地球に取り残されてしまった。ピッコロの目には、迷いも恐怖もなかった。代わりにあるのは、かつて厳しくも愛していた愛弟子・孫悟飯への愛情だった。
ピッコロは炎の中、愛弟子の名前を叫んだ。
「強くなったな……、悟飯……!」

その瞬間、地球は凄まじい爆発音を上げて散っていった。人々は、地球の最後の姿を目の当たりにし、恐怖と悲しみに震えている。
その中で、全身の力が抜け、崩れ落ち、喉いっぱいに泣き叫ぶ青年がいた。
「ピッコロさあぁぁぁーーーーん!!!」
悟空の長男で、ピッコロの愛弟子の孫悟飯だ。
妻ビーデルと愛娘パンには見せられない、絶望と喪失感、そして悲しみに満ちた大粒の涙。悟飯の悲痛な泣き声は、空っぽになった空に響き渡った。
5/8ページ
スキ