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Dear Saiyans 16話・孤独の旅路

…そうだったんだ…。オレ達の知らないところで、君は一生懸命頑張ってたんだね…」
「クリスさん、そんな大変な思いをしてたなんて…」
未来の悟飯とトランクスは、クリスの壮絶な過去に驚きを隠せなかった。
「はい…。本当はみんなのために頑張りたかった…。だけど、この力のせいでみんなの命を奪ってしまうかもしれないし、今のぼくを見せたくなくて、逃げて来たんです…」
クリスは悲しそうに言った。
「う~ん、ぼくはそうは見えないです。クリスさんなら、この力を上手に使いこなせるかもしれませんよ」
トランクスは無邪気に言った。
「この力を、上手に?」
「ええ、きっと何かの役に立つかもしれないと、ぼくは信じていますよ。だから、大丈夫だよ」
「あはは、オレが言いたかったこと、トランクスに言われちゃったな…」
未来の悟飯が言うと、三人は笑った。


しばらくすると、誰かが駅舎に入って来た。その人物は、予想外の人だった。
「よぉ、未来の悟飯!ずいぶん久しぶりだな!」
なんと悟空だった。クリスはあわてて未来の悟飯の後ろに隠れた。
「お久しぶりです、父さん。おケガのほうは大丈夫でしたか?」
「ああ、仙豆のおかげですっかり治ったぞ」
「よかった…。ぼくも心配してました」
「お?おめぇも未来のトランクスなんか?なんか縮んちまったな」
悟空はクウラとの戦いの後、同じく未来から来た成長したトランクスに会っていた。
悟空は青年のトランクスから、この世界にやって来た未来の悟飯と、子どもの頃のトランクスのことを聞いていたため、時々会いに行ったりもしていた。
「それより父さん、この子…」
未来の悟飯は、悟空にクリスを見せた。
「えっ、ちょっと…」
「大丈夫だよ。ほら、おいで」
未来の悟飯は、怯えるクリスを優しく抱いた。
「ん?もしかしておめぇ、クリスか?おめぇもフリーザと同じ姿になったんか!前に見た時は、ツノが生えてた姿だったな」
悟空はクリスのことを覚えてくれていた。
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