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Dear Saiyans 16話・孤独の旅路

やがて、森を抜けて駅に着いた。その駅は少し古くて小さいものの、自動販売機があり、とても明るかった。さらに、列車の接近を知らせる踏切があるため、駅舎の中にいてもすぐに分かる。
時刻表を見ると、電車が到着するまでまだ50分あった。
「あ、早く着きすぎちゃったみたいだね」
未来の悟飯は時刻表を見て笑った。
「でも、この子を休ませるのには、いいのかもしれないですね」
トランクスが言った。
「そうだね。だけど、どうしてあんな真っ暗な森にいたんだい?名前は?」
未来の悟飯はクリスに言った。
クリスは話したくはなかったが、これ以上困らせてはいけないと、意を決して言った。
「…ぼくは、クリスといいます…。ちょっと…色々あって…、家出を、してまして…」
その名前を聞いて、未来の悟飯はハッとした。
「クリス?!あのクリスだって!?」
「あ、あの張り紙に描いてあった子だ!最終形態のフリーザと同じ姿だから、全然分からなかった!」
実はクリスがいなくなったあと、ベルとジングルが急いでラディッツ達と一緒に、クリスを探しに行ったのだ。しかし、いくら探しても見つからなかったため、張り紙を張って協力を求めていたのだ。ところが、クリスが最終形態になったせいで、誰もクリスだと気づかなかったのだ。
「こうしちゃいられない。みんなが心配してるから、早く帰ろう?」
未来の悟飯が言った。しかしクリスは嫌がった。
「い、嫌です…!」
「どうしてだい?みんなが心配してるはずだよ?」
「…こんな姿…、ラディー達に見せたくないよ…。だって、フリーザと同じだもん…」
クリスは、今の自分をラディッツ達に見られるのが怖かった。フリーザと瓜二つになった姿を、見せたくなかったのだ。
しかし、未来の悟飯は優しく微笑んだ。
「う~ん、確かに姿は似てるけど、オレには分かるよ」
「…何がですか…?」
「君はフリーザとは違って、絶対に悪い人じゃないって」
「ぼくも分かるんです。クリスさんからは、すごく優しくてかわいい気を感じるって」
「…悟飯さん、トランクスさん…」
クリスはとうとう泣き出してしまった。
「つらかったんだね…。でももう大丈夫だよ…」
未来の悟飯は、クリスを優しく抱きしめて、慰めた。
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