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Dear Saiyans 16話・孤独の旅路

実は悟空は、未来の悟飯からの電話で連絡を受け、この駅舎に駆けつけて来たのだ。
「悟飯から聞いたぞ。おめぇ、家出してきたんだって」
「…はい…」
クリスはガタガタ震えながら返事をした。
「それに、おめぇ帰りたくないみてぇなんだけんど、なんでなんだ?」
悟空はクリスのことが心配だった。
「……この姿を、みんなに見せたくなくて…。フリーザのトラウマを、思い出させたくないから…」
クリスは緊張して、言葉を発するのがやっとだった。
「う~ん、そういうことか…」
悟空は、クリスはフリーザやクウラみたいに悪い人ではないと分かっていた。悟空はクリスの肩に優しく触れて言った。
「オラもおめぇと似た経験をしたんだ」
「えっ、もしかして…」
「オラもこの間、ラディッツにいきなりオラのことをサイヤ人だと言ってきて、悪かった時のベジータ達の仲間になれって言われたことがあったんだ」
「そしてオレが、ラディッツにさらわれて…」
「…で、オラと一緒にラディッツが、ピッコロにやっつけられちゃったって訳だ」
悟空達は大笑いした。
クリスはたまらず、悟空に謝った。
「…あの、ラディッツとフリーザの代わりに謝ります…!地球を危ない目に合わせて、悟空さんに痛くて怖い思いをさせてしまって、クリリンさんを酷い目に合わせてしまって、本当にごめんなさい!」
「…クリス、おめぇ…」
悟空は驚いた。フリーザの弟が、こんなに純真な心を持っているとは。
悟空は、クリスの隣に座って言った。
「ありがとうな。こんなにオラのことを想ってくれて、本当に嬉しいぞ。けんどよ、みんながすげぇ心配してるから、一緒に帰ろうぜ?」
クリスは怖かった。こんな姿を見られることや、みんながすごい怒っているのではないかと。
「…ラディー達、怒ってないですか…?」
「大丈夫だ。みんなおめぇのこと、きっと分かってくれるはずだ」
悟空はクリスに優しく微笑んだ。
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