Dear Saiyans 16話・孤独の旅路
あれから、どのくらい走っただろうか。クリスは何もない広い平野にたどり着いていた。
走り続けてヘトヘトになっているはずなのに、全く疲れる気配がしなかった。
これが最終形態の力、フリーザと同じ、底なしのパワーだ。
「……これが帝王の力…。確かにすごいけど、全然嬉しくもない…。この力のせいで、大切な人まで傷つけてしまうから…」
クリスは悔しかった。
今まで知らなかった自分の中の力が爆発し、第一形態とは比べ物にならないほどのパワーを解放してしまった。
これにより、ほんの少しの攻撃でも、相手の命を奪ってしまう危険があるのだ。
さらにフリーザの最終形態と同じ姿になったことで、ベジータやクリリンにフリーザのトラウマを思い出させてしまう。
クリスはそれを恐れ、全てを捨て、自分の住んでいたパオズ山を飛び出したのだった。
「ごめんね…。みんな……。もう二度と会えないや…」
クリスは涙をこらえながら、ひたすら走り続けた。
気がつくと、そこは見たこともない雑木林だった。
木には所々紅葉が色づいていて、道端には枯れ葉が落ちていた。さらに涼しい秋風が優しく吹いて、足元には小さなかわいらしいつむじ風が、落ち葉を巻き上げながら通り過ぎていた。
「なんてきれいなところなんだろう…。地球にこんなに美しいものがあったんだね…」
クリスは感動した。
少しだけ心が落ち着いた気がしたが、また歩み始めた。
もう帰る場所なんてない。クリスは何もかも忘れようと、雑木林の中を歩いた。
走り続けてヘトヘトになっているはずなのに、全く疲れる気配がしなかった。
これが最終形態の力、フリーザと同じ、底なしのパワーだ。
「……これが帝王の力…。確かにすごいけど、全然嬉しくもない…。この力のせいで、大切な人まで傷つけてしまうから…」
クリスは悔しかった。
今まで知らなかった自分の中の力が爆発し、第一形態とは比べ物にならないほどのパワーを解放してしまった。
これにより、ほんの少しの攻撃でも、相手の命を奪ってしまう危険があるのだ。
さらにフリーザの最終形態と同じ姿になったことで、ベジータやクリリンにフリーザのトラウマを思い出させてしまう。
クリスはそれを恐れ、全てを捨て、自分の住んでいたパオズ山を飛び出したのだった。
「ごめんね…。みんな……。もう二度と会えないや…」
クリスは涙をこらえながら、ひたすら走り続けた。
気がつくと、そこは見たこともない雑木林だった。
木には所々紅葉が色づいていて、道端には枯れ葉が落ちていた。さらに涼しい秋風が優しく吹いて、足元には小さなかわいらしいつむじ風が、落ち葉を巻き上げながら通り過ぎていた。
「なんてきれいなところなんだろう…。地球にこんなに美しいものがあったんだね…」
クリスは感動した。
少しだけ心が落ち着いた気がしたが、また歩み始めた。
もう帰る場所なんてない。クリスは何もかも忘れようと、雑木林の中を歩いた。
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