Dear Saiyans 15話・逃れぬ血筋

「…ぼくが、ラディーを助けたから…?ぼくのせいで…?」
クリスは震えていた。
「そうだ…。貴様がサイヤ人どもを救ったおかげで、アバランが死んだ。さらにオレの弟であり、貴様の兄まで死んだんだ」
そう言うと、クウラがいきなりクリスに飛びかかった。
クリスはあわてて攻撃をかわした。
「ここじゃ森が危ない!誰もいないところに行かなきゃ!」
クリスは遠くの岩場へ飛び出した。
「どこへ行く!逃がさんぞ!!」
クウラはクリスを追いかけた。



やっとのことで、岩場にたどり着いたクリスは、クウラと睨み合った。
「やはり貴様は甘いな…。だがすぐには殺さん。貴様を懲らしめるのに、もっと良い方法がある」
クウラはフッと笑うと、突然念力でクリスを捕らえた。
クリスは振りほどこうとするが、体が動かない。
「な、何する気!?」
そう言った瞬間、クリスの血の気が引いた。
なんとクウラが、ノコギリ状の気弾を構えていた。
「覚悟するがいい!」
クウラはクリス目掛けて、ノコギリ状の気弾を放った。
クリスは恐怖のあまり、大きく叫んだ。
「きゃあああああああ!!!!!」
その時、クリスの体が光りだした。
その瞬間、クウラの念力が破られ、ノコギリ状の気弾が砕け散った。
ところがクウラは、それを見てニヤリと笑っていた。



「…あれ?ぼく、生きてる!?」
クリスは無事だった。しかもクウラから受けた攻撃の傷も消えていた。
クウラは相変わらず、不敵な笑みを浮かべながらクリスを見つめていた。
「一体、何が…」
そう言いながら立ち上がった瞬間、クリスは言葉を失った。
岩の間から僅かに流れている湧き水に映る自分の姿を見てしまったのだ。
クリスは、フリーザの最終形態と同じく、最終形態に変身してしまった。
「こ、これが…ぼく?!」
クリスはショックだった。
「そうだ、貴様の真の姿だ…。やっとその姿になれたではないか…」
クウラは、クリスを最終形態に変身させるために、攻撃をしたのだ。
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