Dear Saiyans 15話・逃れぬ血筋

ベルとジングルが加わってさらに数ヶ月後、ナメック星人達はポルンガの願いの力で、新ナメック星に移住し、悟空が地球に帰って来た。
クリス達とラディッツ達は、悟空が無事に帰って来たことを聞いてホッとした。
「よかったぁ、みんな無事に戻れて」
「あぁ、フリーザも倒されたしな」
ベルとジングルが言うと、クリスが言った。
「そうだね。でも、惑星ベジータは…」
やはり、フリーザが破壊した惑星ベジータのことが、頭から離れられなかった。それに、サイヤ人全員が助かったわけではなかったのだ。
「う~ん、サイヤ人の故郷が壊されたのは残念だね…」
「そうだよな…。その惑星ベジータって星も、亡くなっていったサイヤ人の人々もドラゴンボールで復活させたいのは山々だけどな…」
いくらどんな願いも叶えられるドラゴンボールでも、はるか昔に絶たれた命や滅ぼされた星を復活させるのは難しいのだ。
「…だからこそ、みんなで力を合わせて、多くの人々を守ると誓ったんだ」
クリスは、同じような悲劇を二度と繰り返さないように、ひとりでも多くの人々を救うことを望んでいた。ラディッツ達も同じだった。ラディッツ達サイヤ人は元々、多くの星を制圧し、多くの人々の命を奪ったのだが、その過ちを二度と犯さないと誓い、人々を守り続けている。
本当は、全宇宙の平和のために頑張りたいところだが、あまりに広い宇宙を彼らだけで守るのは無茶だ。だから彼らは、この地球に暮らす人々のために、日々汗水流して頑張っている。

クリス達とラディッツ達は、多くの地球人と仲良くなり、すっかり地球に馴染むことができた。
みんなで仕事をして、一緒に遊び、時にはケンカもしたりと、フリーザ軍時代にはなかった、明るく楽しい生活を過ごすことができたのだ。
3/9ページ
スキ