Dear Saiyans 15話・逃れぬ血筋

新しい家に住み始めてから1週間後の朝、ラディッツはすっかり元気になった。
「おはよう、ラディー。体の具合はどう?」
「あぁ、おかげですっかり良くなったぜ。ありがとうな、みんな」
「それはよかったな。でも、無理はするんじゃねぇぞ?」
「そんなの分かってらぁ!さてと、パトロールでもするか!」
クリスとラディッツ達は、すっかり地球の生活に馴染んでいた。
彼らは、今までお世話になった人々はもちろん、他の地球人や地球に避難しているナメック星人達ともすっかり仲良くなり、時々仕事のお手伝いをしたりもした。
さらに、悪さをした悪人を捕まえて、警察に引き渡したり、ケガや病気で動けなくなった人や動物を助けるなど、大活躍をした。
今までの罪滅ぼしをすることはもちろん、何よりもみんなが喜ぶ姿を見ると、自分達も嬉しくなるのだ。
「やはり悪いことをするより、良いことをする方が気持ちいいぜ」
ナッパは誇らしげに言った。
「ぼくもそう思う。みんなが喜ぶとぼく達も嬉しくなるよ」
クリスが言った。

さらに数ヶ月後、クリスとラディッツ達の家に、ベルとジングルがやって来た。
「やぁ、クリス!」
「ベル、ジングル!久しぶり!」
彼らは地球で過ごしてから、クリスとは良い友達になっていた。
クリスの仕事が休みの日には、一緒にレストランで食事をしたり、遊んだりもしている。
「ところでベル、カカロットさんのことがすごい気になるけど、何か分かったことあるの?」
クリスは、いまだに帰って来ない悟空が心配だった。
「あぁ、それなんだけど…。聞くところによると、彼はヤードラット星って星にいるらしいんだ」
「えっ?カカロットさん、助かったんだ!」
クリスがびっくりすると、ジングルが言った。
「うん。孫悟空さんはそこで、ヤードラット星の人たちに助けられたそうだよ」
悟空が無事だという知らせに、ラディッツ達も驚き、黙って聞いていた。
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