Dear Saiyans 14話・仲直り

ナッパは電話で、クリスに少し遅くなるから先に買い物をしてくれと伝え、ベジータとの会話を楽しんだ。
ナッパはコンビニで飲み物を買い、ベジータに手渡した。
ベジータはフリーザのことを話した。
最初はフリーザの全てを知っていたつもりでいて、そして自分は超サイヤ人だと言い聞かせて立ち向かったが、あまりに次元が違い過ぎた。瀕死の状態で、下級戦士であるカカロットに全てを託すなんて恥ずかしいと思っていた。
しかし、ナッパはベジータに言った。
「確かに、あの時のフリーザはすごかったよな。さすがのオレでもビビったぜ。けどよ、あの時のベジータ、すごかったぜ」
「…なんだと?」
ベジータはきょとんとした。
「だってよ、地球人とナメック星人があきらめかけた時に、あんただけは一生懸命あのスピードに追い付こうとしてたんだ。少しやけくそ気味だったが、あそこまでフリーザに立ち向かうなんて、正直びっくりしたぜ」
ナッパはベジータを誉めた。
ベジータは少し嬉しくなった。そして、ナッパに酷いことをしたこと、そしてラディッツを見捨てたことを反省した。
ベジータはナッパに言った。
「…ラディッツはどこにいる?」
意外な発言に、ナッパはビクッとした。
「な、なんでラディッツが生きてるって、分かったんだ?」
ナッパが言うと、ベジータが言った。
「ナメック星で、ほんの僅かだが気配を感じたんだ。まさか生きていたなんて驚いたがな」
「ま、まぁ、クリスが助けてくれたんだ。オレもすげぇびっくりしたんだ」
二人はクスクス笑った。

ーその時クリスは、かわいらしいくしゃみをしていた。

「ところで、ラディッツはどうしているんだ?気配を感じないが…」
「あぁ、それがな…」
ナッパはベジータに、ラディッツが病気で寝込んでしまったことを話した。
「…あいつに負担をかけすぎてしまったか…。よし、行こう」
ベジータはすくっとベンチから立ち上がった。
「ラディッツに乱暴するなよ?」
ナッパは心配そうに言うと、ベジータは優しく微笑んだ。
「冗談言うな、もうフリーザみたいな真似はせん。ラディッツを看病しに行くんだ」
今のベジータは、昔の怖いベジータとは全く違う、たくましく凛々しい表情になっていた。
「クリスによろしく伝えてくれ。またな…」
「あぁ、またな」
ナッパはクリスのもとへ、そしてベジータは電話で、ブルマからラディッツの家の場所を聞き、ラディッツのいる家へと急いだ。
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