Dear Saiyans 14話・仲直り

時は少々さかのぼり、クリス達は町の病院で、医師が用意してくれた薬をもらい、そして食料と生活用品を買いに買い物をしていた。
「クリス、ターレス、すまねぇがちょっと便所に行って来るぜ」
ナッパは二人にそう言って、公衆トイレに行った。

そしてナッパはすぐに公衆トイレから出て来た。
「さてと、急いで戻らねぇとラディッツが待ちくたびれちまうな」
ナッパはそう言って、クリスとターレスが待つスーパーに戻ろうとしたその時、ベジータとバッタリ会ってしまった。
「うぉ?!ベ、ベジータ!?」
ナッパはびっくりして心臓が止まりそうになった。
「…ナッパ」
ベジータはポツリと、ナッパの名前を呟いた。

ナッパはナメック星に行くまでは、ベジータを恨んでいたのだが、目の前でベジータがフリーザにやられ、泣いていたのを見たため、ベジータを恨まなくなっていた。
ナッパは肩の力を抜いて、ベジータに話しかけた。
「…久しぶりだな、ベジータ」
「……」
ベジータは暗い表情でナッパを見つめていた。
ナッパはベジータを不思議そうに見つめると、ベジータはナッパに言った。
「…あの時は、すまなかった…」
「…ベジータ」
ベジータの鋭い目は、うっすらと潤んでいた。
ナッパはクスリと笑った。
「まだ引きずっていたのか。へへ、もうとうに過ぎたことだ。もう恨んじゃいねぇよ」
ナッパは分かっていた。
ベジータもフリーザに監視され、やむを得ず仲間を見捨てるしかなかったと。
「もう過去は水に流して、これからはみんなのために頑張ろうじゃねぇか。なぁ、ベジータ」
ナッパの意外な発言に、ベジータは驚いた。
そして少し元気になった。
「…ふ、単細胞野郎が、ずいぶん利口になったじゃないか」
二人は大笑いした。
久しぶりの明るく楽しい笑い声だった。
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