その時、部屋のドアが開いた。
クリス達が帰ってきたのだろうか。
だが、入ってきたのは予想外の人物だった。

「！？…ベジータ…？！」
なんとベジータだった。怖いと感じた原因は、ベジータの気配だったのだ。
ラディッツは思わず死んだふりをした。
しかしそんな手など通用するわけがない。
ベジータは無言のまま、そっとラディッツに近づいた。
そして、ラディッツのベッドに近づき、声をかけた。
「何を怖がっている？弱虫ラディッツ…」
ラディッツはビクッとした。
ベジータはラディッツのびっくりした姿にクスッと笑った。
「ベ、ベジータ…。な、何しに来たんだよ…。どうせオレを、殺しに来たんだろ…？」
ラディッツは震えた声で言った。
「…何バカなことを言ってやがる」
ベジータは優しく言った。
ラディッツは「えっ？」と言うと、恐る恐るベジータの顔を見た。

そこにいたベジータは、目付きが鋭いのは相変わらずであるものの、あの怖いベジータからは考えられないほど、優しく温かみのある温和な顔をしていた。
ラディッツには信じられなかった。
どういう風の吹き回しなのか、なんのためにここに来たのか、理解できなかった。
「……オレを、どうするつもりなんだ…？」
ラディッツは震えながら言った。
「…お前を、看病しに来たんだ…」
ベジータの意外な答えに、ラディッツはびっくりした。