そしてすぐに、クリスがアバランを抱き抱えて戻ってきた。
みんなは驚いたが、クリスはみんなに言った。
「彼を置いて行きたくないんだ。一緒に脱出させたいんだ」
クリスの優しく純真な思いに、みんなは賛成した。
すると、みんなの体が光り出した。
いよいよ地球に帰る時がやってきたのだ。
「あ、いけない！すっかり忘れてた！」
クリスは不意に何かを思い出した。
そして取り出したのは、宇宙船のリモコンだった。
「おいおい、宇宙船なんてどうでもいいだろ」
ラディッツは笑って言ったが、クリスは首を横に振って言った。
「どうでも良くないよ。あの宇宙船のおかげで、ぼくはラディー達を助けることが出来たし、多くの優しい人達に出会えたんだ。だから、一緒に地球に帰るんだ。もう家族みたいなものだもん」
「ははは、宇宙船が家族って初めて聞いたぜ！本当にフリーザの弟とは思えねぇよ」
ナッパは大笑いした。
「ぼくはもうフリーザの弟なんかじゃないやい！」
クリスがプンプン怒ると、みんなはさらに笑った。
クリスがリモコンで宇宙船を起動させた瞬間、みんなは地球にワープした。
そして、クリスを地球まで乗せ、ラディッツ達の命を救った医療用宇宙船は、崩壊してゆくナメック星を離陸し、空高く上昇し、クリス達の待つ地球に向けて飛び去った。