Dear Saiyans 13話・超サイヤ人爆誕

「ぼくが…。ぼくが一番悪いんだ…」
クリスは体を震わせながら言った。
「ぼくが、もっと早くフリーザを止めていれば…。ベジータさん達を助けていれば…」
クリスは、何もできなかった自分を許せなかった。
父親や母親、兄たちに逆らえず、言うとおりにしか動けなかった自分を責めていた。
「ぼくなんて…。ぼくなんて生まれてこなければよかった!弱虫で泣き虫で、何もできないぼくなんか、生まれてこなければよかったんだ!」
そう叫びながら、クリスはアバランの剣で、自分の肩を刺した。
ラディッツ達とナメック星人達はびっくりした。
「やめろ、クリス!早まるな!!」
ナッパはあわてて、クリスから剣を奪った。
「こんなことして、アバラン君とベジータ君が喜ぶと思っているのかい?いくら悔しくても、こんなことしちゃダメじゃないか!」
ジングルはクリスを手当てして言った。
「ぼくのせいで…。ぼくが何もできなかったから…」
クリスは泣きじゃくっていて、何も耳に入らなかった。
「クリス、自分を責めるのもいい加減にしな。君のせいじゃない。元魔族のオレだって、フリーザが怖かったんだぜ?」
ベルはクリスを撫でながら言った。
「それに、『何もできなかった』なんて言ってたけどよ、死にかけたオレ達を助けたじゃねぇか。すげぇ活躍してっじゃねぇか」
ターレスは涙を拭いて言った。
「クリスがいなかったら、オレ達はいまだに悪事を働き続けていたし、死んだら地獄で苦しみ続けていたかもしれねぇんだ」
ラディッツはクリスを抱きしめて言った。
「…ラディー……、みんな…」
クリスはひくっひくっと途切れ途切れに言った。
すると、突然声が響いた。
「オラに、元気を分けてくれ…!」
その声の主は、悟空だった。
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