Dear Saiyans 13話・超サイヤ人爆誕

血液検査やレントゲン検査など、様々な検査をしたところ、幸いにもウイルスや細菌など危険な菌はなく、どこも異常はなかった。
医師が言うには、強いストレスや不安、恐怖から解放されたことにより、精神的な緊張が一気に解け、それが体への大きな疲労となってしまったという。
ラディッツは、フリーザの支配やベジータの恐怖から解放されたことで、安心しきったと同時に、数年間も溜まった負担や疲れが一気にのしかかったため、高熱を出してしまったのだ。
「うむ、ラディッツはオレよりも怖い思いをして、今まで過ごしてきたんだ…。無理もないな…」
ナッパは心配だった。
「けど、逃げもせずによく耐えられたからすごいよ。それだけラディッツさんは、我慢強い人なんだ」
医師が言った。
「確かにそうだな!ラディッツ、もうお前は『弱虫ラディッツ』じゃない。『我慢強いラディッツ』だ」
「な…?!オレが、我慢つよ…ゲホッ!ゴホッ!」
ラディッツは照れながら咳き込んだ。
「ラディー、あんまりしゃべっちゃダメだよ。喉を痛めちゃうから」
クリスはラディッツの背中を優しくさすって言った。
「そういうことだよ。消化に良いものを食べて、風邪薬を飲んで、ゆっくり休めば元気になれるよ」
医師はラディッツに言った。
「…分かった、そうするよ…。何から何まで、世話になってすまないな…」
ラディッツは医師に言った。
「ううん、また困ったことがあったら、いつでも言ってね。いつでも力になるからね」
医師は優しく微笑んだ。
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