Dear Saiyans 12話・サイヤ人との因縁

その頃、遠くの岩場でラディッツとナッパ、ターレスがクリスと悟空達の様子を見ていた。
彼らはフリーザの姿と、ボロボロになったベジータを見て、恐怖のあまり動けなくなっていた。
「ベジータ…、ウソだろ…」
ナッパは震えていた。
「ん?待て!ベジータが何かしゃべってるぞ!」
ターレスが言った。
「何を話す気だ?このままでは命が危ないぞ!」
ラディッツは心配だった。

ベジータは最後の力を振り絞り、悟空達にサイヤ人が滅びた原因を話していた。
惑星ベジータが消滅し、多くのサイヤ人が亡くなってしまった理由…。
それは、ラディッツが言っていた巨大隕石の衝突が原因ではなく、フリーザが自ら破壊したのだった。
フリーザは、力をつけ始めたサイヤ人の中から、伝説の戦士・超サイヤ人が現れ、自分達に反逆することを恐れた為であったのだ。
「オレ達は…、あいつの手となり、足となり…、命令通りに働いたのに…。みんな、殺された…」
ベジータの目から、大粒の涙が溢れていた。
「ベジータさん、泣かないで…!」
クリスは、これ以上泣けば命が危ないと、ベジータを慰めた。
「ク、クリス…お前の言う通り…。ちゃんと、素直に…、やめれば、よかった…」
ベジータはクリスに抱きついて泣いた。そして…。
「カ、カカロット…。フリーザを…、フリーザを、倒して…、くれ…。サ、サイヤ人の…、手……で…」
ベジータは悟空に望みを託し、そのまま息を引き取った。
「ベ、ベジータさん…。ベジータさぁーん!!」
クリスは泣き叫んだ。
クリリン達は、クリスに寄り添い慰めた。
悟空は、初めて会ったクリスに言った。
「おめぇ、聞いた話だとフリーザの弟だってのに、優しい奴なんだな…」
悟空の顔は、悲しみに満ちていた。
「…ぼくからもお願いします…。どうか、どうか兄を、フリーザをやっつけてください…!サイヤ人達、そしてナメック星人達の方々の、仇を取ってください…!」
クリスは泣きじゃくりながら、悟空に言った。
「分かった、オラに任しとけ。さぁ、危ないから下がってるんだぞ」
悟空は、クリスとクリリン達に言った。
そして、フリーザに言った。
「おめぇに殺されたサイヤ人達の為にも!そして、ここのナメック星人達の為にも!おめぇをぶっ倒す!!」

続く
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