Dear Saiyans 12話・サイヤ人との因縁

「…冷静に考えてみれば、あれは事故だったんだが、どうしても貴様を許せなくてな…」
アバランはムスッとした表情で言った。
「…そんなにオレのことが憎いなら、その剣でオレを倒すがいいさ…」
ラディッツは覚悟して言った。
クリスは驚いて止めようとしたその時…。
「おい、そんなでオレの気が晴れると思ってんのか?クリスの野郎を一生苦しませる気か!?」
アバランは怒鳴った。
「アバラン…」
クリスは驚いた。
「勘違いするな。ラディッツの野郎と和解する気はねぇ。だが、貴様らのせいで、オレにも甘さが移ってちまったみたいだ…」
アバランは笑みを浮かべて言った。
クリスはアバランに言った。
「お父さんとお母さんは、アバランが憎しみに任せて悪事を働くことを望んでなんかいないよ。昔と変わらない優しいアバランでいて欲しいと思っているよ、きっと」
「…はっきり言って、覚えてはいないが、両親を手にかけて本当にすまなかった…」
ラディッツは少し涙ぐんで言った。
「…ふはは、戦うことしか能がないサイヤ人めが、こんなに純粋だったとはな…。なんか、憎しみが消えた気がするな…」
アバランはクスッと笑って言った。
そして二人を見て続けた。
「オレはまだサイヤ人を許すことはできんが、貴様らのこと、好きになったぜ」
その時だった。
「ぐ!!ガ…!!!」
突然、アバランの体が激しく震え、そのまま地面に倒れてしまった。
「アバラン!」
「アバラン、大丈夫?!しっかりして!」
クリスはあわててアバランを抱き起こすと、アバランの首の後ろから何かが落ちた。
「これは、電気チップ?!」
なんとアバランに、チップが埋まっていたのだった。
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