Dear Saiyans 12話・サイヤ人との因縁

ー当時、まだ小さかったアバランは、両親の愛情を受けて育っていた。
この頃のアバランは、フリーザ軍とは全く縁がなく、平和に暮らしていた。
当時のアバランはとても怖がりで、人見知りが激しかったが、一方でケガをした小鳥を助けたり、泣いているサイヤ人の子どもを慰めたりと、優しい性格だった。
両親は、そんなアバランをとてもかわいがり、大切にしていた。

ところが、アバランがまだ12歳だった頃、巨大隕石がアバラン達の住んでいた星に接近していた。
その星にはフリーザ一族が暮らしていた為、当時フリーザ軍配下だったサイヤ人が、フリーザ一族を守ろうと巨大隕石に立ち向かっていた。
そこで、大猿となったサイヤ人達が一斉に巨大隕石を攻撃し、ギリギリのところでなんとか破壊することに成功した。

ーだが、ここで悲劇が起こった。
当時、まだ幼かったラディッツも、大猿になって巨大隕石に攻撃を仕掛けたのだが、巨大隕石の爆発に吹き飛ばされ転倒してしまった。
その転倒した先に、アバランの両親がいた。
アバランの両親は、アバランを安全な場所に避難させ、大猿となったサイヤ人らと力を合わせて巨大隕石に立ち向かっていたのだった。
だが、ラディッツは大猿のまま転倒してしまった為、アバランの両親は潰され死んでしまった。
両親の死を目の当たりにしたアバランは、ラディッツが両親を殺したと思い込み、サイヤ人に対し激しい怒りと恨みを持ち、ラディッツやベジータ達と同じフリーザ軍となり、復讐のチャンスを狙っていたのだった。
ところが、両親の優しい人になって欲しいという言葉が、彼を思い止まらせた為か、憎き敵であるはずのベジータ達が、傷ついて帰って来る度に、ベジータ達をメディカルマシンで治療をしたり、また、ラディッツが罰としてチップを埋め込まれたあの日も、ラディッツに痛み止めと化膿止めの薬をこっそり用意してあげたりと、子どもの頃からの優しさは変わらなかった。
しかし、クリスがサイヤ人と仲良くなったことで、フリーザ達から仕打ちを受けたことに身の危険を感じ、心を鬼にし、両親の思いを捨て、サイヤ人に強い憎しみを持って生きるしかなかった。
これが、アバランの過去だった。
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