Dear Saiyans 11話・迫りくる黒い影

フリーザは、クリスの反抗的な態度に驚き、腹を立てた。
「…クリス、これが最後の警告ですよ。今すぐ考え直して、パパの宇宙船を盗んでしまったこと、掟を破ってサイヤ人共を助けたこと、そして私に反発したことを反省し、素直に謝りなさい。さもなければ、弟とて容赦はしませんよ!」
フリーザは優しくクリスに言った。
しかし、クリスは首を縦に振らなかった。
「いやだ!ぼくはラディー達と地球で暮らすんだ!ラディー達を酷い目に合わせた、お前達なんか大っ嫌いだ!!!」
クリスは声を荒げて言った。
「……いいでしょう。そこまで言うなら仕方ありませんね…」
フリーザは怒りを露にした。そして、アバランに命令した。
「アバランさん!この裏切り者を処刑しなさい!!あの愚かな叔父上と同じように!!」
「…承知しました、フリーザ様」
アバランはクリスに迫った。
「貴様がこんなふぬけた奴だったとは…、正直ガッカリしたぞ…。宇宙の帝王様の…、我が一族の面汚しめがぁ!!」
その瞬間、アバランはクリスの腹をおもいっきり殴った。
クリスは吐き出してしまった。
「げほっ!う、うぅ…」
「子供だからとて容赦はしない!!ましてや裏切り者の皇子はな!!」
アバランは今度は剣を取り出し、クリスを斬ろうとした。
クリスはギリギリのところでかわしたが、右肩をケガしてしまった。
しかし、クリスはすぐに立ち上がり構えた。
「こんな傷、ラディー達の受けた傷と比べたら、どうってことない!」
クリスはアバラン目掛けて、おもいっきり気弾をぶつけた。
アバランは大きく吹き飛ばされたものの、体勢を立て直した。
「そんな攻撃で、このオレを倒せると思ってるのか!ガキのくせに調子に乗るな!!」
アバランは剣を振り下ろした。
しかし、クリスはラディッツ達とトレーニングをしたおかげで、軽々と剣をかわした。
その時、遠くで爆発がした。
なんとフリーザが、悟飯やクリリン、ベジータ達に襲いかかったのだ。
「しまった!みんなが危ない!」
クリスはアバランから目を離してしまった。
「隙を見せたな!!」
アバランはクリスに飛びかかり、馬乗りになってクリスを抑え込んだ。
さすがにクリスは怖くなった。
「クリス皇子よ!これより貴様を処刑する!!」
アバランはクリスの胸に剣を向けて振り下ろした、その時だった。
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