そこにいたのは、フリーザ軍幹部・アバランだった。
「ア、アバラン？！どうしてここに！？」
クリスは震えた声で言った。
「分からんか？フリーザ様の為にドラゴンボールを探してたんだ。だが…」
アバランは空を睨んだ。
気がつくと、空は明るくなっていた。
「い、いつの間にか空が明るくなってる！ドラゴンボールの願い、叶っちゃったのかな？」
クリスが言うと、アバランは不機嫌そうに言った。
「いや。最長老って爺さんが、寿命だかで死んだのさ。もうドラゴンボールが使えなくなっちまった…」
「ウソ！？最長老様が！？」
クリスはショックだった。
「あぁ、あの地球人の野郎どもと、裏切り者のベジータのせいでな。おかげでフリーザ様はカンカンだ」
アバランが言うと、今度はクリスを見てニヤッと笑った。
「貴様、コルド大王様の宇宙船に乗って、どこに行ってたんだ？そして何してたんだ？」
クリスはビクビクしながら言った。
「ど、どこで何をしようが、君には関係ないでしょ！勉強ばっかりで退屈だったから、ちょっと旅行に行ってただけだよ…」
「……髪が長い猿野郎のところに遊びにか？」
アバランの恐ろしい声に、クリスは一瞬にして背筋が凍りついた。
「な、なんのこと…？」
クリスは冷や汗を流して言った。
「とぼけたって無駄だ。貴様がコルド大王様が大切にしていた宇宙船を盗み、ラディッツの奴を助けたんだろ？」
「え？！どういう…」
「最近、宇宙船を盗んで売ろうとする輩が増えたから、宇宙船に防犯システムを仕込んだのさ。万が一宇宙船を盗んだ泥棒を探す為の、防犯カメラと盗聴器がついてるんだ。だからシステムにアクセスして、オレのスカウターで見てみたら、まさか貴様だったとはな…」
アバランはクリスを睨み付けながら言った。