Dear Saiyans 11話・迫りくる黒い影

見ると、少し離れた所に巨大な龍が現れていた。
その龍は、筋肉質な体格をした姿をしていた。
「あれは、ポルンガだ!」
ベルが言った。
「おそらく地球からきた人達が、ドラゴンボールで亡くなった人達を生き返らせてくれるんだ!」
ジングルが言った。
「きっとクリリンさん達だ!やったぁ!」
クリスは喜んだ。
ところが、実はナメック星のドラゴンボールは3つ願いを叶えられる代わりに、死者を生き返らせることができる人数は、1つの願いにつき1人だけという弱点があった。
すると、ベルが何かを感じた。
「声が聞こえる…。ピッコロの声だ!」
なんとピッコロが、界王星から界王の力を使って、悟飯に自分を生き返らせるようにテレパシーを送っていたのだ。
ピッコロが生き返ることで、地球の神も生き返り、さらに地球のドラゴンボールも復活する。
ベルは力を失ったとはいえ、テレパシーをキャッチする能力は残っていた。
彼はみんなに、ピッコロと悟飯のやり取りを話して聞かせた。
「へ、あのナメック星人…、いやピッコロのやつめ、よく考えたな」
ナッパはふふっと笑って言った。
「あいつめ、すっかり性格が丸くなりやがって…」
ラディッツは、魔貫光殺砲の古傷がズキズキと痛みながらも、クスッと微笑んだ。
そしてついに、ピッコロが生き返り、地球の神とドラゴンボールが復活した。
ところが喜びもつかの間、またターレスのスカウターが反応した。
「まずいぞ!ベジータがドラゴンボールに向かっている!」
戦い疲れて昼寝をしていたベジータだったが、ドラゴンボールが悟飯に使われていたことに気付き、飛んで来たのだ。
悟飯とクリリンは急いで、彼らが助けたナメック星人の子・デンデに、ピッコロをナメック星にワープさせるようお願いした。
これにより、ピッコロはナメック星に到着した。
ところがそんな中、ラディッツがふと姿を消した。
「あれ?ラディー?!ラディーがいない!!」
クリスは焦って、ラディッツを探しに外に飛び出そうとした。
「よせ!危険だぞ!」
「外にはフリーザがいるんだ!見つかったら大変だぞ!」
ターレスとナッパはクリスを止めた。
「ラディーは古傷で体が弱ってるんだ!ラディーをこれ以上、傷つけさせたくない!」
クリスはターレスとナッパを振り払い、そのまま走り去って行った。
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