Dear Saiyans 11話・迫りくる黒い影

しばらくして、遠くからものすごい爆発音や衝撃波が響き渡ってきた。
悟飯、クリリン、ベジータがギニュー特戦隊と戦い始めたのだ。
宇宙船でイメージトレーニングをした悟飯とクリリン、そして地球で悟空と戦いパワーアップしたベジータが、果敢にも立ち向かっていた。
「あいつら、ギニュー達と互角だ」
ターレスはスカウターの数値を見て言った。
「ご、悟飯…」
ラディッツは甥である悟飯を心配していた。
あの時地球で、人質として悟飯をさらっていた。ラディッツは悟空と悟飯に本当に悪いことをした、本当に酷いことをして申し訳ない気持ちで、胸が張り裂けそうになった。
「ラディッツ!何をボーッとしているんだ!今オレ達にできる事をやるしかねぇんだぞ!」
ナッパはラディッツの背中を叩いて言った。
しかしちょうど魔貫光殺砲の古傷を叩いてしまった。
「ぐはっ!そこ、古傷だぞ…!」
「あ、悪りぃ…」
古傷を直接叩かれたラディッツは、お腹の中に電気が走るような激痛に襲われ悶絶していた。
「本当すまねぇ!大丈夫か?!」
ナッパは慌てた。
「…まぁな…。だが、あんたのおかげで目が覚めたぜ。クリス達が危ない中、みんなを助けに行ってるんだ。オレもみんなを助けなくてはな」
ラディッツは早速、ナメック星人を救出しに向かった。

そして、僅かに生き残ったナメック星人を助けたラディッツは、急いでその場をあとにしようとした。
ところが、ラディッツの目に飛び込んだのは、驚くべき光景だった。
そこには、スカウターを着けた悟空が、ジースと並んでいた。
スカウターを着けた悟空は、ドラゴンボールを持った悟飯とクリリンを睨んでいた。
ラディッツはハッとした。
「まずい!そいつはギニューだ!」
なんと悟空は、ギニューのボディーチェンジで体を入れ替えられてしまっていたのだ。
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