Dear Saiyans 10話・新たなる戦いへ

ー地球を旅立ってから数時間後、ラディッツ達はフリーザ軍対策とドラゴンボール探しに向けた作戦会議をしていた。
「オレ達は元フリーザ軍だったし、いくつもの星を制圧してきたから、誰も信用してはくれんだろうな…」
ラディッツはため息をついて言った。
「だからこそ、フリーザ軍の連中と戦うしか他はないんだ。もっとも、フリーザのやつに気づかれなきゃの話だが…」
ナッパが言った。
いくらトレーニングを積み重ねてきたとはいえ、やみくもにフリーザ軍兵と戦って、フリーザ達に見つかればただではすまない。
しかもクリスは、コルド軍時代の医療用宇宙船を盗んでまでラディッツ達を助けにフリーザ軍から家出してきたのだ。
だから、フリーザが弟の裏切りを知ってしまっていれば、間違いなく命を狙われる可能性が高い。
それを覚悟の上で旅立ったのだ。
「なぁ、クリス。ナメック星の到着までどのくらいだ?」
ナッパが言った。
「このスピードだと、だいたい1週間ぐらいだね…」
クリスが答えた。
「そうか、その間に奴らに先を越されねぇといいんだが…」
みんなは、フリーザが先にナメック星に来てないか心配だった。

ー3日後、ラディッツは慣れない古い宇宙船の揺れで船酔いをしてしまった。
「だ、大丈夫?ラディー。ごめんね」
クリスはラディッツの背中をさすりながら言った。
「だから『弱虫ラディッツ』って呼ばれるんだ」
ナッパは大笑いしながら言った。
「う、うるへぇ!余計酔うわ!」
ラディッツは死にそうな声で言った。
「ラディッツ、これを食え」
ターレスがそう言って取り出したのは、農家のおじさんからもらった梅干しだった。ラディッツは梅干しを一つもらい食べた。
「ん、美味い…。こいつは美味いな」
少し酸っぱさはあるが、ほんのりと甘味を感じられる優しい味だった。
ラディッツは元気を取り出した。
「ふぅ、助かった…。ありがとな、ターレス。後で農家のおじさんにも、礼を言わねぇとな。オレにやられたのに、いつも世話になっちまっているからな」
「はは、そうだな」
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