「…ラディー、ご飯だよ…」
クリスは恐る恐る声をかけた。
「……」
ラディッツは何も答えず、ただただ黙っていた。
「…気持ちは分かるけどよ、早くしないとクリスがせっかく作った飯が覚めちまうぞ」
ターレスも声をかけた。
「……」
それでもラディッツは黙っていた。
「…なぁ！いつまで落ち込んでんだよ！てめぇのそんなザマを見て、ナッパって野郎が喜ぶと思ってんのか！」
怒ったターレスは机を叩いて怒鳴った。
「ちょっとターレスさん！落ち着いて！これ以上ラディーを攻めないで！」
クリスはあわててターレスをなだめた。
ターレスは舌打ちをして、先に食事を始めてしまった。

クリスはラディッツのもとにご飯と味噌汁、おかずを持ってきた。
「…ラディー、ごめんね…。もっと早くベジータさんを説得できなかった、ぼくが悪かったよ…」
クリスは目に涙を浮かべながら、ラディッツの肩にそっと手を置いて、なるべく優しく声をかけた。
「……う、うぅ、くっ、あぅ…」
ラディッツは寝そべった状態で泣き出した。
クリスも涙を流して、ラディッツを抱きしめた。
「ごめんね、ラディー…。ごめんね…」
クリスは、ベジータとナッパを止められなかった事、ナッパを見殺しにしてしまった事を悔やんだ。
ターレスは途中で食べるのを止め、二人を黙って見つめていた。

やがて、ラディッツは食事を始めた。まだ泣いてはいるものの、残してしまってはクリスに申し訳ないと、少しずつゆっくりと時間をかけて食べた。
そして、なんとか完食したラディッツは、クスンと鼻をすすって寝そべると、ポツリと言った。
「…ごちそうさま…」
「…ありがとう、ラディー…。今はゆっくり休もうね…」
クリスは涙声で言った。
ターレスは、少しホッと胸を撫で下ろした。
ーその時だった。