着いた場所は、真っ暗な森だった。
その森はノーマンの家がある森とは違う別の森で、かなり真っ暗でお化けが出そうだった。
「な、なんだかすごい気味の悪い所に来ちゃったね…」
クリスは怖くて震えていた。
「あぁ、こんな所は初めてだぜ…」
ラディッツも少し震えていた。
二人は勇気を振り絞って歩み出した。

こう見えて、ラディッツは暗闇とお化けが大嫌いだ。だが、まだ幼いクリスの前で怖がっては、一流の戦士の名が泣く。ラディッツは怖いのを我慢した。
クリスもまた、暗い場所が大嫌いだ。
しかし、ラディッツが少しでも安心するように、懐中電灯で前を照らしていた。
その時、何かがラディッツの背中に触れた。
「お、おい！今オレの背中を触らなかったか？」
「さ、触ってないよ！怖い事言わないでよ！」
ラディッツは表情を強張らせ、震えていた。
クリスは勇気を出して、ラディッツの後ろを照らした。
そこにあったのは、ただの木の枝だった。
「…って、木の枝が引っ掛かってただけだったよ」
「チッ、驚かせやがって…。てっきり化け物に捕まったかと思ったぞ…」
ラディッツは心臓をバクバクさせて言った。
「って、ラディーったら、お化けが怖いんだね」
クリスは思わず笑ってしまった。
「バカ言え！オレはサイヤ人の選手…じゃねえ！戦士だ！！化け物なんか全然怖くねぇ！！それに、お前こそすごいビビってただろ！！」
ラディッツは顔を真っ赤にして怒った。
クリスは、そんなラディッツがかわいくてまた笑ってしまった。

するとその時、草の音が響いた。
二人はびっくりして固まってしまった。
「だ、誰かいる…。動物だといいんだけど…」
クリスは震えながら言った。
「どこのどいつだ！このオレが相手してやる！」
ラディッツは草むらに向かって歩み出すと、手を突っ込んだ。