Dear Saiyans 8話・孤独のサイヤ人

クリスが地球に到着してから、2か月の歳月が流れた。
ラディッツは治療とリハビリを頑張ったおかげで、目覚ましい回復を見せた。
しかし、ピッコロによる魔貫光殺砲の後遺症が残っていて、天気が悪い日や寒い日だと特に古傷が痛むことがある。
さらに、死の淵から生還したおかげもあってか、ラディッツの戦闘力はぐーんと上がっていた。
これまではベジータ達三人の中では戦闘力が低かったのだが、今ではナッパの戦闘力に近づいていた。
ラディッツは、クリスとトレーニングをしたり、一緒に遊んだり、時にはケンカもしたりと、フリーザ軍では味わうことができなかった楽しいひとときを過ごしていた。

ある夜、ラディッツはクリスとドラゴンボールの事について話していた。
「そのドラゴンボールで、オレ達が今まで殺してしまった異星人達を生き返らせてあげたいな…。そして、カカロットもな…」
ラディッツは、今まで犯した罪を振り返り、罪滅ぼしをしたいと思っていた。
「そうだね…。でも、クリリンさんから聞いた話だと、ドラゴンボールは一度願いを叶えたら、1年は使えないらしいんだ…」
クリスはため息をついて言った。
「…そうか、まずはカカロットを生き返らせるのが先だもんな…」
二人はホットミルクを一口飲んで、またため息をついた。

その時、外で大きな物音がした。
「な、何!?」
「まさか、ベジータ達か?いや、まさかな…」
ラディッツとクリスは宇宙船を飛び出して、音のした方向へと走った。
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