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Dear Saiyans 7話・愛する友のために

夜、二人は手術台の上で横になった。
ラディッツはクリスに言った。
「はっきりとは覚えていないが、闇の中で何度もクリスの声が聞こえてたな…」
「ぼくの声が、聞こえたの?」
「あぁ、何度もな…。あと手術の音とか…」
クリスはギョッとした。
もしかしたら、あの時麻酔が切れてたのではと。
「手術の音って、痛くなかったの?!」
「いや、痛みはなかった…。音だけ聞こえただけだ…クリスのごめんねっていう声もな…」
ラディッツは麻酔で眠っている中、手術の音やクリスの声を聞いていた。
「…ラディー、あの…、お腹の中の傷は、どう?」
「どう?って、何がだ?」
ラディッツは笑みを浮かべながら眠そうに言った。
「あの…、ピッコロさんってナメック星人さんから受けた傷、まだ痛む?」
「…あぁ、まだかなり痛むな…。だが、あの時よりはまだマシだ…」
ラディッツは目を瞑りながら答えた。
そして、またクリスに言った。
「オレの手術をした時、お前はどんな気持ちだったんだ?」
「…すごく怖かったよ」
クリスは泣きそうな声で言った。
「怖かった…だと?」
ラディッツは小さな声で言った。
「ぼくが手術したのは、ラディーが初めてだったんだ。チップを取る手術も、この大傷もすごく怖かった…」
「…何が怖かったんだ?」
ラディッツが言った。
「もし手術が失敗したら、ラディーがまた……。それがすごい怖かったんだ…」
クリスは目を瞑りながら言った。
「クリス…。ありがとな、オレを助けてくれて…。オレも修行して、今度はオレがクリスを助けてやるからな…」
ラディッツはクリスを抱きしめて言った。
「あ、ありがとう、ラディー…。ぼくももっと強くなって、ラディー達を、この星を守るよ…」
クリスもラディッツを抱きしめて言った。
「あぁ、ありがとな…。お休み…」
「うん、お休みなさい、ラディー…」
二人はそのまま、静かに眠りについた。

続く
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