Dear Saiyans 7話・愛する友のために

ラディッツ達と合流したクリスは、ノーマン一家にお礼を言った。
「本当にありがとうございました。このご恩は一生忘れません」
「お礼なんていいよ。オレ達も君たちと出会えて本当によかったよ。またいつでも遊びにおいで」
「ラディッツさんもお元気でね」
「クリスお兄ちゃんもラディッツお兄ちゃんも元気でね!」
「元気でね!」
「みんな、ありがとう!お世話になりました!」
クリスはノーマン一家にお礼を言うと、ノーマン一家に見送られながらラディッツ達と共に、その場をあとにした。

やがて、クリリンとブルマとも別れ、宇宙船に戻ったラディッツとクリスは、のんびりと話をした。
そしてラディッツは、悟空と悟飯にかわいそうなことをしたと、深く反省した。
「…本当にオレが悪かった…。本当はカカロットに会えて本当に嬉しかったんだ…」
「ラディー…」
ラディッツは、悲しく暗い表情を浮かべていた。
「…ラディー、もう星の制圧は…ダメだよ」
クリスは恐る恐る言った。
「…分かってるさ。クリスの言う通り、もう二度と星を制圧しない…。無論、この地球もだ…」
ラディッツのあの怖かった顔は、今では優しく凛々しい顔になっていた。
バーダックやギネ、そしてカカロットによく似た、優しく温かみのある表情だ。
「それにしてもクリス、お前はあのナメック星人と戦ったって、カカロットのダチの地球人から聞いたぞ。そこまでして、オレを…」
ラディッツはクリスに言った。
「ぼくね…、ギネさん達と、ラディーのお母さん達と約束したんだ。ラディー達を助けるって…」
クリスはラディッツの手に触れながら言った。
「親父とお袋達と…?」
「うん、それに…」
「……?」
「ぼくは、サイヤ人達を愛してるんだ…。両親や兄達なんかよりも…」
クリスの、サイヤ人を愛する気持ちが通じたのか、ラディッツは涙目になった。
「…ラディー?泣いてるの?」
クリスは心配そうに言った。
「な、何を言う…。目にホコリが入って痛いだけだ…」
ラディッツはごまかした。
「だが、1年後にベジータ達が来る…。とてもじゃないが、カカロットやあのナメック星人が敵う相手じゃない…。しかもカカロットは、オレのせいで死んだ…。どうしたらいいんだ…」
ラディッツが悲しそうに言った。
「うん…。ドラゴンボールで生き返ってパワーアップしてたら、きっとなんとかなると思うけど…」
クリスはそう言ったものの、やはり不安だった。
さらに二人は、ベジータ達が怖くなっていた。
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