Dear Saiyans 7話・愛する友のために

「…クリス様…いやクリス…」
なんと、そこにはラディッツがいた。
彼はすっかり痩せていたものの、元気を取り戻していた。
「ラ、ラディー!!よかったぁぁぁ!!!」
クリスは思わずラディッツに抱きついて、大声で泣き出した。
「クリス、ありがとうよ…」
ラディッツは何度も、クリスにお礼を言った。
「おぉ、この人がラディッツさんか」
ノーマンはラディッツを見て言った。
「クリリンって奴らから、クリスがあんた達の世話になってるって聞いた。すまなかったな」
「いえいえ、こちらこそ」
ラディッツはノーマンにもお礼を言った。
「ラディー、本当によかった…。心配したんだから…」
クリスは涙を拭いながら言った。
「…本当にありがとうな、クリス…」
ラディッツはクリスを抱きしめ、これまでの経緯を話した。

時は少々さかのぼり、クリスがピッコロと戦っていた頃、クリリンとブルマはクリスに代わってラディッツを見ていた。
クリリンとブルマは最初はラディッツを警戒していたが、徐々にラディッツをかわいそうになっていった。
「うーん、よく考えてみたら、こいつそんなに悪い奴じゃなかったかもしれませんね…」
クリリンはブルマに言った。
「…そうね、クリス君の言ってた通り、何か事情があって…」
その時、強い風が吹き荒れた。
ピッコロの凄まじい気が、ここまで響いてきたのだ。
「な、なんて気だ!クリスのやつ、大丈夫かな…」
クリリンが言った時だった。
「ク、クリ…ス…」
ラディッツが声を出した。
クリリンとブルマがびっくりしてると、ラディッツはそのままむっくりと起き上がった。
「…あんた達は…」
ラディッツは掠れた声でクリリンに言った。
そして、クリリンから話を聞くと、ラディッツはヨロヨロしながら着替え、急いで飛び去ろうとした。
しかし、この時のラディッツは手術で弱っていた為、ブルマ達に休むように促され、そして翌朝になってようやく、クリスが泊まっているノーマン一家の家へと飛び出していったのである。
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