とある日の前夜
いくつもの部屋の明かりが消えていく頃、新たに明かりがついた部屋があった。
「帰ってきたねえ。霧山君、お疲れ様」
「ふう、まさか今日も撮影するとは思いませんでした……」
「こういう時こそ、いつも通りに過ごすのさ。それに、今日は簡単なコースだったから、いい感じに体もほぐれたんじゃないかい?」
「確かに、このまま布団に入ったらよく眠れそう……って、寮長殿、そんなところまで考えてたんですか?」
「ふふ。ちょっとした息抜きには、なっただろう?」
連れ立って戻ってきた二人は、そのまま寝る準備に取りかかる。と思いきや、聖人はパソコンに手をかけていた。
「もしかして、これから編集するんですか?」
「一刻も早く、この動画をみんなに見てもらいたいからねえ。俺は俺なりに、いつも通りに過ごすということさ。霧山君は俺を信じて、ゆっくりおやすみ」
「寮長殿を、信じて……。わかりました。おやすみなさい、また明日」
軽い疲れをまとったおぼろにとって、マウスやキーボードの操作音は子守歌だ。無事に眠った彼を笑顔で見守りながら聖人は編集を続け、106号室の夜は更けていった。
「帰ってきたねえ。霧山君、お疲れ様」
「ふう、まさか今日も撮影するとは思いませんでした……」
「こういう時こそ、いつも通りに過ごすのさ。それに、今日は簡単なコースだったから、いい感じに体もほぐれたんじゃないかい?」
「確かに、このまま布団に入ったらよく眠れそう……って、寮長殿、そんなところまで考えてたんですか?」
「ふふ。ちょっとした息抜きには、なっただろう?」
連れ立って戻ってきた二人は、そのまま寝る準備に取りかかる。と思いきや、聖人はパソコンに手をかけていた。
「もしかして、これから編集するんですか?」
「一刻も早く、この動画をみんなに見てもらいたいからねえ。俺は俺なりに、いつも通りに過ごすということさ。霧山君は俺を信じて、ゆっくりおやすみ」
「寮長殿を、信じて……。わかりました。おやすみなさい、また明日」
軽い疲れをまとったおぼろにとって、マウスやキーボードの操作音は子守歌だ。無事に眠った彼を笑顔で見守りながら聖人は編集を続け、106号室の夜は更けていった。