01.目覚めるとそこは
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目を開けると、知らない景色が広がっていた。
直前の記憶を手繰り寄せて、それもそうかと納得する。あるいは、これも夢の続きなのかも。
第一声、いや声に出してないから第一想?としてそんな風に考えていると、思考にアクセルがかかり始めたのかいろんなことが頭の中を駆け巡っていく。
ここはどこだろう、
私、とんでもないことをしちゃったのかな、
いや、私は何かしたわけじゃない……と思うけど、とにかく大変なことになってるよね、
やっぱり帰らなきゃダメかな、
急にいなくなったら家族もさすがに心配するかな、
うーん、心配されたらそれはそれで気味が悪いかも、
帰らなくて済むならそっちの方がいいな、
でもこれからどうすればいいんだろう……
ガチャリ。
唐突に聞こえた音につられてそちらを向くと、正面のドアが薄く開いていた。続いて、人が入ってくる。
「起きたのでございますね?おはようございます」
そこには王子様がいた。
王子様キャラ、とかそんなんじゃない。髪、服装、所作、頭からつま先まで全てが王子様そのものだ。
また変な角度から情報量が増えた気分でますます混乱しそうになるけど、目の前の人が何者であっても挨拶をされたならまずはやるべきことがある。頭の片隅でそう思い至って、どうにか口を開く。
「えっ、と……おはようございます」
「緊張させてしまいましたか?やはりヨシくんの方がよかったでしょうか……いえ、とにかく、よろしければこちらの部屋へどうぞ。温かいお茶を淹れて待っているのでございます」
扉の向こうに戻っていく王子様を見届けて、再び一人になる。まだまだ分からないことだらけだけど、人と話したからかさっきよりは気持ちが落ち着いていた。
要するに、あの王子様は私を保護してくれたのだろうか。
辺りを見回すと、個室兼寝室といった感じで、ここが王子様の家なのは間違いなさそう。でも、それにしては普通過ぎる。私が寝かされているベッドがやけに大きいというくらいで、他は極めて庶民的だ。
……もしかして、コスプレ?家の中で?まあ仮にコスプレだとしたら、全身全霊で王子様を演じている、ということになる。それはそれで尊敬できるし、何より悪い人ではないはず。まずは、言われた通り私も向こうの部屋へ行こう。
ベッドから降りて、ふと思い出してポケットの中を探る。
よかった。あの石はちゃんとある。
心強い味方の存在を確かめると、また少し気持ちが落ち着く。何が起こってこれからどうなるのかはまだ分からないけど、きっとどうにかなる。そうであってほしいと祈るように一つ呼吸をして、扉を潜った。
直前の記憶を手繰り寄せて、それもそうかと納得する。あるいは、これも夢の続きなのかも。
第一声、いや声に出してないから第一想?としてそんな風に考えていると、思考にアクセルがかかり始めたのかいろんなことが頭の中を駆け巡っていく。
ここはどこだろう、
私、とんでもないことをしちゃったのかな、
いや、私は何かしたわけじゃない……と思うけど、とにかく大変なことになってるよね、
やっぱり帰らなきゃダメかな、
急にいなくなったら家族もさすがに心配するかな、
うーん、心配されたらそれはそれで気味が悪いかも、
帰らなくて済むならそっちの方がいいな、
でもこれからどうすればいいんだろう……
ガチャリ。
唐突に聞こえた音につられてそちらを向くと、正面のドアが薄く開いていた。続いて、人が入ってくる。
「起きたのでございますね?おはようございます」
そこには王子様がいた。
王子様キャラ、とかそんなんじゃない。髪、服装、所作、頭からつま先まで全てが王子様そのものだ。
また変な角度から情報量が増えた気分でますます混乱しそうになるけど、目の前の人が何者であっても挨拶をされたならまずはやるべきことがある。頭の片隅でそう思い至って、どうにか口を開く。
「えっ、と……おはようございます」
「緊張させてしまいましたか?やはりヨシくんの方がよかったでしょうか……いえ、とにかく、よろしければこちらの部屋へどうぞ。温かいお茶を淹れて待っているのでございます」
扉の向こうに戻っていく王子様を見届けて、再び一人になる。まだまだ分からないことだらけだけど、人と話したからかさっきよりは気持ちが落ち着いていた。
要するに、あの王子様は私を保護してくれたのだろうか。
辺りを見回すと、個室兼寝室といった感じで、ここが王子様の家なのは間違いなさそう。でも、それにしては普通過ぎる。私が寝かされているベッドがやけに大きいというくらいで、他は極めて庶民的だ。
……もしかして、コスプレ?家の中で?まあ仮にコスプレだとしたら、全身全霊で王子様を演じている、ということになる。それはそれで尊敬できるし、何より悪い人ではないはず。まずは、言われた通り私も向こうの部屋へ行こう。
ベッドから降りて、ふと思い出してポケットの中を探る。
よかった。あの石はちゃんとある。
心強い味方の存在を確かめると、また少し気持ちが落ち着く。何が起こってこれからどうなるのかはまだ分からないけど、きっとどうにかなる。そうであってほしいと祈るように一つ呼吸をして、扉を潜った。