無色の日常と一筋の光
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帰りたくない。
できるだけ一人でいたい。
特別な事情があるわけじゃない。
家庭内暴力とか育児放棄とかそういうのは何もなく、ただただ家族と信頼を築けていないだけだ。いじめとかもないけど、心を開ける友達もいない。
要するに、私は自分の意思で孤独を選んでいる。放課後はいつも最終下校時刻まで適当に時間を潰し、その後はあてもなくふらふらする。
……あんまり遅くなって怒られるのも嫌だから、結局足は家に向く。いい子にも不良になれない半端者、それが私だ。
でももうちょっとだけ。もうちょっとだけ自由を謳歌したくて、家の近くの公園に寄った。公園といっても遊具はなく、ただの広場といっても差し支えない。だからこそ、居場所のない私が流れつくにはピッタリで、結構気に入っている。
今日は四つ葉のクローバーでも探そうかな、なんて考えがよぎって視線を落とす。よぎっただけで、本腰入れて探すってほどじゃなくて、ただ下を見ながらゆっくり歩く。その時だった。
足下に、光を感じた。
目をやると、そこにあったのは赤く透き通った石のようなもの。宝石……と呼ぶには、ちょっと違うかな。
ただ、日もほとんど落ちて光源がないはずなのにキラキラと輝く様を見ると、神秘を目の当たりにしている気分になる。
誰かの落とし物なら、警察に届けるべきだろうか。でもなぜだか、誰のものでもない気がする。もちろん根拠はないし、この行動が許されるって思いたいだけなのかも。
言い訳のようなものが頭の中を巡りながら、結局引き寄せられるようにしゃがんでいた。そのままそっと手に取ってみる。
いろんな角度に傾けてみたり、包み込んでみたり。何をしても、石は淡い輝きを失わない。やっぱり不思議だ。
女の子向けのアニメだったら、この後不思議な生き物とかと出会ったりしそうだけど、さすがにそんなことは期待していない。というか世界の命運とか背負いたくない。
私はただ、退屈で窮屈な日常に彩りが欲しかった。ほんの少し何かが変わるって信じたかったんだ。
できるだけ一人でいたい。
特別な事情があるわけじゃない。
家庭内暴力とか育児放棄とかそういうのは何もなく、ただただ家族と信頼を築けていないだけだ。いじめとかもないけど、心を開ける友達もいない。
要するに、私は自分の意思で孤独を選んでいる。放課後はいつも最終下校時刻まで適当に時間を潰し、その後はあてもなくふらふらする。
……あんまり遅くなって怒られるのも嫌だから、結局足は家に向く。いい子にも不良になれない半端者、それが私だ。
でももうちょっとだけ。もうちょっとだけ自由を謳歌したくて、家の近くの公園に寄った。公園といっても遊具はなく、ただの広場といっても差し支えない。だからこそ、居場所のない私が流れつくにはピッタリで、結構気に入っている。
今日は四つ葉のクローバーでも探そうかな、なんて考えがよぎって視線を落とす。よぎっただけで、本腰入れて探すってほどじゃなくて、ただ下を見ながらゆっくり歩く。その時だった。
足下に、光を感じた。
目をやると、そこにあったのは赤く透き通った石のようなもの。宝石……と呼ぶには、ちょっと違うかな。
ただ、日もほとんど落ちて光源がないはずなのにキラキラと輝く様を見ると、神秘を目の当たりにしている気分になる。
誰かの落とし物なら、警察に届けるべきだろうか。でもなぜだか、誰のものでもない気がする。もちろん根拠はないし、この行動が許されるって思いたいだけなのかも。
言い訳のようなものが頭の中を巡りながら、結局引き寄せられるようにしゃがんでいた。そのままそっと手に取ってみる。
いろんな角度に傾けてみたり、包み込んでみたり。何をしても、石は淡い輝きを失わない。やっぱり不思議だ。
女の子向けのアニメだったら、この後不思議な生き物とかと出会ったりしそうだけど、さすがにそんなことは期待していない。というか世界の命運とか背負いたくない。
私はただ、退屈で窮屈な日常に彩りが欲しかった。ほんの少し何かが変わるって信じたかったんだ。