【三國貞治さんの場合】優しく静かに腐す

「俺の仕事手伝いたい？君には無理やろなぁ」

「どうしてですか？だって平凡な若葉さんが
　出来るんだったら私にも出来ますよ？」

　天王寺組に来てからというもの、チヤホヤされる事がなく
　若葉に対して異常な敵対心を向けていました

「若葉はよう仕事が出来てなぁ……信頼が
　あるのとないのやったら信頼している方に任せるのは
　当然やと思わんか？」

「っ！！」

「それに若葉はほんまに可愛ええ子やで。
　君と違うてな」

　暗に自分の事を信用していない、可愛くないと
　言われた女はプライドが傷ついたのか顔を赤くして
　そのまま組を去りました

「うちに守代納める店の子やから仕方なく雇ったけど
　これは苦情いれなアカンなぁ……」

　後日、店のオーナーが泣き腫らした目をする女を
　連れて謝罪に来たらしいです



【大嶽徳史さんの場合】静かに直接的に怒りをぶつける

「正直、見た目も子供っぽいし……あんなの側に
　置いていたら大嶽さんの評判が下がりますよ？」

　綺麗に彩られたネイルが施される手を伸ばすも
　振り払われました
　
「俺に触れてええのは若葉だけや」

「は……はぁ！？あんな女の何処がいいんですか！？」

「若葉は見た目も中身も俺が認めた一流の女や。
　お前みたいなハリボテになんか興味ないで」

　オーナーに言いつけてやる！と吐き捨てた女ですが
　大嶽さんは既に話をつけていて自分が解雇を言い渡すと
　待ったをかけていたそうな



【国生英明さんの場合】見せつけ

「ハッキリ言うが仕事以外の事で俺に関わろうと
　するのは止めてくれ。迷惑だ」

「迷惑って……私はただ英明さんが好きなだけなのに」

　まさか若葉さんと一緒にいる時に言い寄って
　来るとは……しかし国生さんはハッキリと伝えました

「俺のパートナーは若葉しか務まらない。
　この件は店に報告するからな」

「英明さ……じゃなくて、国生の兄貴。流石にそれは」

「若葉、お前も俺も明日は休みだ。仕事が
　終わったら久しぶりにデートでもするか」

　後ろで顔を歪める女を見せないように国生さんは
　若葉さんの肩を抱き寄せながらその場を後にしました



【名波和親さんの場合】淡々と

「食事？どうして私が君と行かないといけないんだ」

「若葉さんなんかよりいい女って分かって
　もらいたいだけですよ。だからいいでしょう？」

　しかし名波さんは不愉快と言わんばかりに
　顔を顰め……

「男漁りをする為にウチに来たのなら今すぐ出ていけ」

「な……男漁りって、そんな言い方！」

「名波のカシラー！仕事終わりましたよー！」

「そうか。約束通り若葉の行きたい所
　連れて行ってやるから少し待っててくれ」

「分かりましたー！」

「……何だ。まだ何か用でもあるのか？ないなら
　私はもう行く」

　プライドが傷ついた女は翌日、退職する事に
　なりましたが誰が手を回したのでしょうか？