事件
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コンコンコン。作りたての食事をトレーに乗せて持ち、この建物で一番立派であろう扉をなんとか叩く。
「よろしいですか?キースさ…団長」
「ああ」
書類に埋もれそうな事務机には疲弊したキースさんが「いつも悪いな。そこに」と言いローテーブルに目をやる。
「はい。温かいうちに食べられそうなら、そうしてくださいね。」
部屋から出ていこうとすると呼び止められる。
「無理に団長とつけずに、以前のような呼び方でかまわない。君は兵士でもないのだから」
キースさんはいつも、食事を片付る時または片付終わってから取りに来ることが多く、見かねた私が「部屋に届けましょうか?」と提案してみた事がきっかけで食事を持って行くようになった。
毎食そうしているわけではなく、部下の方が取りに来るときもあるし、キースさん本人が来ることもあるが、片付けの時間になって誰も来ていないようなら食事を温め直してキースさんの執務室に持って行くようにしている。
最初の頃は団長という響きが言い慣れなくてキースさんと呼んでいたが(ほら、応援団長とか、某アニメのSOS団団長とか思い出しちゃうから)最近は私を見る周りの目も厳しくなっているので団長をつけるようにしている。
「でも…親しげに聞こえてしまうかもしれませんから…」
「…まぁ、呼びやすいように呼べば良い。最近困っていることはないか?」
ドキリと鼓動が跳ねる。
モブリットさんと外出してから1ヶ月が経っているが、周りの反応はあまり良くないものだった。
この1ヶ月周りを観察した結果、攻撃的に接してくる人は10人程度の決まった人たちで、他の大多数は色物として面白がって見ているだけ。
それに気がついて、ミケさんやナナバさん、ハンジさんやモブリットさん等は声をかけてくださるようになったけど、攻撃してくる方々はそういったことも気に入らないようだった。
「いえ…あ、でも乾燥してきて手荒れが気になりますかね」
と笑って誤魔化せばキースさんも表情を緩めてくれる
「何かあれば言いなさい」
雑用係の私なんぞにも気を配ってくれるなんて、申し訳がない…今抱えている問題が喉元まで出てくるが飲み込んで目を伏せる。
「気にかけれくれてありがとうございます」
では、お仕事も大事ですが、お体も大事にしてくださいね。
とドアを閉めた彼女を書類越しに見送ってから、食事のトレーに目を落とす。
湯気が出ている食事の隣に一輪の花が添えられている。
彼女が持ってくる時はいつもこうだった。いつも仕事に負われ疲弊した私への気配りなんだろう。
ギシリと音を鳴らし背もたれへ体重をかけ、目をマッサージする。
全ての食事を部下に取りに行かせることもできるが…
無能の団長を気にかけてくれる人は少なく、分隊長であるエルヴィンを指示する者も多くない。
そんな中、声をかけてくれたのは彼女だった。彼女の申し出に「その時はよろしく」と相槌程度に答えたのだが実際のところ、この大人数の兵士がいる中で私が食事を取りに来てのか覚えているはずもない。つまりは部屋まで持ってくることは無いと思っていた。
だが、彼女は来た。私が食事を取り忘れた夜、不安そうに申し訳無さそうに部屋に来て言ったのは「部屋を探してたら食事が冷めてしまいました。すみません…」と
その時から花は添えられており、彼女が休みで無い限り、私が食事を取ってない日は必ず部屋に来た。私が不在時の時は部屋に入らず、扉の前でずっと待っていた時もあった。
中に置いておけばいいのに。と言えば「大事な書類などがあるといけないので」と言い、食事が冷めてしまって…と謝ってきた。
本当におかしな子だ。
彼女の柔らかそうな黒髪は、カルラを思い出させていけない。
まだまだ仕事はあるが、ソファに座り食事を取る。
それは、まだ温かく「うまいな」
「よろしいですか?キースさ…団長」
「ああ」
書類に埋もれそうな事務机には疲弊したキースさんが「いつも悪いな。そこに」と言いローテーブルに目をやる。
「はい。温かいうちに食べられそうなら、そうしてくださいね。」
部屋から出ていこうとすると呼び止められる。
「無理に団長とつけずに、以前のような呼び方でかまわない。君は兵士でもないのだから」
キースさんはいつも、食事を片付る時または片付終わってから取りに来ることが多く、見かねた私が「部屋に届けましょうか?」と提案してみた事がきっかけで食事を持って行くようになった。
毎食そうしているわけではなく、部下の方が取りに来るときもあるし、キースさん本人が来ることもあるが、片付けの時間になって誰も来ていないようなら食事を温め直してキースさんの執務室に持って行くようにしている。
最初の頃は団長という響きが言い慣れなくてキースさんと呼んでいたが(ほら、応援団長とか、某アニメのSOS団団長とか思い出しちゃうから)最近は私を見る周りの目も厳しくなっているので団長をつけるようにしている。
「でも…親しげに聞こえてしまうかもしれませんから…」
「…まぁ、呼びやすいように呼べば良い。最近困っていることはないか?」
ドキリと鼓動が跳ねる。
モブリットさんと外出してから1ヶ月が経っているが、周りの反応はあまり良くないものだった。
この1ヶ月周りを観察した結果、攻撃的に接してくる人は10人程度の決まった人たちで、他の大多数は色物として面白がって見ているだけ。
それに気がついて、ミケさんやナナバさん、ハンジさんやモブリットさん等は声をかけてくださるようになったけど、攻撃してくる方々はそういったことも気に入らないようだった。
「いえ…あ、でも乾燥してきて手荒れが気になりますかね」
と笑って誤魔化せばキースさんも表情を緩めてくれる
「何かあれば言いなさい」
雑用係の私なんぞにも気を配ってくれるなんて、申し訳がない…今抱えている問題が喉元まで出てくるが飲み込んで目を伏せる。
「気にかけれくれてありがとうございます」
では、お仕事も大事ですが、お体も大事にしてくださいね。
とドアを閉めた彼女を書類越しに見送ってから、食事のトレーに目を落とす。
湯気が出ている食事の隣に一輪の花が添えられている。
彼女が持ってくる時はいつもこうだった。いつも仕事に負われ疲弊した私への気配りなんだろう。
ギシリと音を鳴らし背もたれへ体重をかけ、目をマッサージする。
全ての食事を部下に取りに行かせることもできるが…
無能の団長を気にかけてくれる人は少なく、分隊長であるエルヴィンを指示する者も多くない。
そんな中、声をかけてくれたのは彼女だった。彼女の申し出に「その時はよろしく」と相槌程度に答えたのだが実際のところ、この大人数の兵士がいる中で私が食事を取りに来てのか覚えているはずもない。つまりは部屋まで持ってくることは無いと思っていた。
だが、彼女は来た。私が食事を取り忘れた夜、不安そうに申し訳無さそうに部屋に来て言ったのは「部屋を探してたら食事が冷めてしまいました。すみません…」と
その時から花は添えられており、彼女が休みで無い限り、私が食事を取ってない日は必ず部屋に来た。私が不在時の時は部屋に入らず、扉の前でずっと待っていた時もあった。
中に置いておけばいいのに。と言えば「大事な書類などがあるといけないので」と言い、食事が冷めてしまって…と謝ってきた。
本当におかしな子だ。
彼女の柔らかそうな黒髪は、カルラを思い出させていけない。
まだまだ仕事はあるが、ソファに座り食事を取る。
それは、まだ温かく「うまいな」
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