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見られたら、終わり。
安心の裏に、闇がある。その中でも僕が見るのは、聴くのは秘中の秘。サイレンの音の中心に向かえば、まだ確認されてない、特殊なトリオン兵。夜の闇の中、頼りになるのは僕の強化聴覚だ。
「頼むぞ、菊地原」
隊長命令で聴覚を共有する。鞭のようにしなる腕を複数持ったトリオン兵の攻撃は、少し予測が立て辛い。しかし、そんなに恐るほどの威力じゃないから、おそらく捕獲用なんだろう。一本、一本着実に切り落としていき、本体を確実に切り刻む。
「!!」
本体を切り刻んだ途端、生臭い液体が飛び散った。敵の真正面にいた僕は、もろにそれを被った。
「うわ、くっさ」
『気をつけてください、分析の結果、その液体味方を呼び込むマーカーのようです』
歌歩さんのオペレートに、めんどくさいなぁと正直な感想。それにもう一つ、嫌な雑音を拾っていた。
「風間さん、レーダーに映っていない人間が紛れ込んでます。足取りが素人なんで、多分一般人です」
「!! そうか、そちらに気を回しつつ、トリオン兵の排除を最優先にするぞ」
「「了解!!」」
次々にやってくるトリオン兵を、さっさと片付けていく。液体をかぶる度に、ひっという小さな叫びが聞こえた。ちっ、と舌打ちをする。こんなところまで来ておいて、なんなんだ。粗方片付けて、縮こまっている音の主の元へ行く。
「あ……菊地原、くん……?」
「立ち入り禁止なの、分かってるよね? 何しに来たのさ」
一応、顔見知りだった。クラスメイト。けど、同情する必要も義理もない。
「大丈夫、忘れられるよ。全部。今見たこと、ここに来たこと」
汚れたこの僕の姿も。誰かが打ち捨てた花壇に咲いたチューリップが、返り血を浴びて黒く染まっていた。
安心の裏に、闇がある。その中でも僕が見るのは、聴くのは秘中の秘。サイレンの音の中心に向かえば、まだ確認されてない、特殊なトリオン兵。夜の闇の中、頼りになるのは僕の強化聴覚だ。
「頼むぞ、菊地原」
隊長命令で聴覚を共有する。鞭のようにしなる腕を複数持ったトリオン兵の攻撃は、少し予測が立て辛い。しかし、そんなに恐るほどの威力じゃないから、おそらく捕獲用なんだろう。一本、一本着実に切り落としていき、本体を確実に切り刻む。
「!!」
本体を切り刻んだ途端、生臭い液体が飛び散った。敵の真正面にいた僕は、もろにそれを被った。
「うわ、くっさ」
『気をつけてください、分析の結果、その液体味方を呼び込むマーカーのようです』
歌歩さんのオペレートに、めんどくさいなぁと正直な感想。それにもう一つ、嫌な雑音を拾っていた。
「風間さん、レーダーに映っていない人間が紛れ込んでます。足取りが素人なんで、多分一般人です」
「!! そうか、そちらに気を回しつつ、トリオン兵の排除を最優先にするぞ」
「「了解!!」」
次々にやってくるトリオン兵を、さっさと片付けていく。液体をかぶる度に、ひっという小さな叫びが聞こえた。ちっ、と舌打ちをする。こんなところまで来ておいて、なんなんだ。粗方片付けて、縮こまっている音の主の元へ行く。
「あ……菊地原、くん……?」
「立ち入り禁止なの、分かってるよね? 何しに来たのさ」
一応、顔見知りだった。クラスメイト。けど、同情する必要も義理もない。
「大丈夫、忘れられるよ。全部。今見たこと、ここに来たこと」
汚れたこの僕の姿も。誰かが打ち捨てた花壇に咲いたチューリップが、返り血を浴びて黒く染まっていた。