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チームランク戦が終了した。結果は悪くなかったけれど、私は早々に落とされてしまったので、これではいけないとすぐ個人戦のブースに向かうことにした。向かう途中、先ほどのランク戦を写していたモニター前を通り、そこで黒スーツの顔見知りを見つけた。
「辻君、お疲れ様」
「あっあき先輩、お疲れ様です」
一瞬ビクッと肩を揺らすが、ちゃんと声は返ってきた。そのまま辻君は振り向くけど、視線は私の頭の上を見ている。
「非番? ランク戦見てたの?」
「そうです。俺、昼間だったんで」
「そう。ダサいとこ見られた」
「別に……悪くなかったと思いますよ」
お世辞はいらない、と辻君の顔を見上げるが、視線が合わさることはない。どこか遠くを見ながら話される。
「相変わらず、女子ダメなんだね。次、うちと当たるのに」
「そう、ですね。ダメです」
ジト目で睨むと、雰囲気を感じるのか辻君は苦笑いした。
「あき先輩は特別、だから」
「……それ私の背が低いからでしょ?」
抗議するように言えば、相変わらず苦笑したまま。肯定のように思えて、コンプレックスが刺激される。
「それか、私がぺったんこだから女子に見えないんでしょ」
どうせチビで胸もない、筋肉質な私だ。女子のように感じないのだろう。
「なっ……ちが、違いますよ!」
辻君は慌てて両手を振り、顔を覆った。隙間から覗く耳は真っ赤だ。
「やめてくださいよ……そんなんじゃないです、から」
「ふーん?」
納得がいかずに腕を組めば、へなへなとしゃがみこんでしまった。
「違います……あき先輩、同期、だからです」
ものすごく小さい声でそう呟いた。確かに私と辻君は同時期の入隊で、攻撃手としては一緒に訓練してきた。最初は会話すらままならず、無理やり追い回して捕まえていたのだ。そう言われると懐かしい。
「信じてくださいよ……」
「ふふ、ごめん。信じるよ」
疑念は晴れないけれど。今にも泣きそうな辻君を、これ以上問い詰めるつもりはなかった。手を伸ばし、丸くツヤツヤの黒い頭を、サラサラと撫でる。
「!!」
「じゃあ私、個人ランク戦行くから。後で来てよね」
そう言い残して、脇をすり抜けてその場を後にする。廊下に出て角を曲がる時、うわあ! と背後で叫び声が聞こえた。辻君は個人ランク戦のブースには来なかった。
「辻君、お疲れ様」
「あっあき先輩、お疲れ様です」
一瞬ビクッと肩を揺らすが、ちゃんと声は返ってきた。そのまま辻君は振り向くけど、視線は私の頭の上を見ている。
「非番? ランク戦見てたの?」
「そうです。俺、昼間だったんで」
「そう。ダサいとこ見られた」
「別に……悪くなかったと思いますよ」
お世辞はいらない、と辻君の顔を見上げるが、視線が合わさることはない。どこか遠くを見ながら話される。
「相変わらず、女子ダメなんだね。次、うちと当たるのに」
「そう、ですね。ダメです」
ジト目で睨むと、雰囲気を感じるのか辻君は苦笑いした。
「あき先輩は特別、だから」
「……それ私の背が低いからでしょ?」
抗議するように言えば、相変わらず苦笑したまま。肯定のように思えて、コンプレックスが刺激される。
「それか、私がぺったんこだから女子に見えないんでしょ」
どうせチビで胸もない、筋肉質な私だ。女子のように感じないのだろう。
「なっ……ちが、違いますよ!」
辻君は慌てて両手を振り、顔を覆った。隙間から覗く耳は真っ赤だ。
「やめてくださいよ……そんなんじゃないです、から」
「ふーん?」
納得がいかずに腕を組めば、へなへなとしゃがみこんでしまった。
「違います……あき先輩、同期、だからです」
ものすごく小さい声でそう呟いた。確かに私と辻君は同時期の入隊で、攻撃手としては一緒に訓練してきた。最初は会話すらままならず、無理やり追い回して捕まえていたのだ。そう言われると懐かしい。
「信じてくださいよ……」
「ふふ、ごめん。信じるよ」
疑念は晴れないけれど。今にも泣きそうな辻君を、これ以上問い詰めるつもりはなかった。手を伸ばし、丸くツヤツヤの黒い頭を、サラサラと撫でる。
「!!」
「じゃあ私、個人ランク戦行くから。後で来てよね」
そう言い残して、脇をすり抜けてその場を後にする。廊下に出て角を曲がる時、うわあ! と背後で叫び声が聞こえた。辻君は個人ランク戦のブースには来なかった。