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「天気がいいから散歩でも行かないか」
そう誘われて、手を繋いで出かけたのが1時間前。今は近所の河原に寝転んで、2人で空を眺めていた。野草がクッションになり、日差しも当たって心地が良い。フレッシュな空気に身も心も癒される。
「あ、小鳥」
こちらに気づいた小鳥は、慌てて翼を羽ばたかせて空に舞い上がった。高く高く飛んで、空の青に溶けていく。
「いいなぁ、鳥は空飛べて。私も飛んでみたい」
何気なく呟いたら、蒼也さんは思案顔で、
「そうだろうか」
と返ってきた。横を見れば、遠く遠く鳥を見送っていた。
「飛べてしまえば、この世界の小ささを知ってしまうだろう。そして、それ以上に自分が小さいことも。それはきっと辛いことだろうな」
「……そんなものでしょうか」
「そんなものだ」
いつになく儚げに、寂しそうに蒼也さんはそう言った。私は、高く空を飛んだ時の風景を想像する。人も街も小さく見えて、地平線の見える風景を。それはきっと、世界に祝福を受けている様な、世界を全て愛せる様な、美しい光景なんじゃないだろうか。
「やっぱり、私は飛んでみたいです。きっと素敵ですよ」
「そうか。じゃあ俺も、飛べなくてはならないな」
「どうしてですか?」
「決まっている。お前を守るためだ」
なんの迷いもなく、真っ直ぐにそう言われてしまっては照れてしまう。照れ隠しに、
「子供じゃないから1人で大丈夫です」
なんて、素直じゃないことを言った。くつくつ風間さんは笑い出す。
「なんだ、俺に守られるのは嫌か?」
「そうは言ってないです! ただ1人でも平気って話です!」
「そうだな。お前は元気だからな」
蒼也さんはひとしきり笑うと、困った様な切ない表情になった。ドキリとしてしまうくらい。
「ひとつだけ約束をしよう。何があっても、俺の元に戻ってこい。出来れば、いつも俺の守れる範囲から出るな。そうして欲しい」
真剣な赤い目が私を射抜く。けれどそんなこと言われなくたって、私は蒼也さんの傍を離れることなんて出来ないのに。
「約束しますよ。どこにも行きません」
「ありがとう、あき。……愛してるぞ」
恥ずかしそうに、けれどしっかりとした音の愛してるは、私を地上に結びつけるのには充分すぎた。
そう誘われて、手を繋いで出かけたのが1時間前。今は近所の河原に寝転んで、2人で空を眺めていた。野草がクッションになり、日差しも当たって心地が良い。フレッシュな空気に身も心も癒される。
「あ、小鳥」
こちらに気づいた小鳥は、慌てて翼を羽ばたかせて空に舞い上がった。高く高く飛んで、空の青に溶けていく。
「いいなぁ、鳥は空飛べて。私も飛んでみたい」
何気なく呟いたら、蒼也さんは思案顔で、
「そうだろうか」
と返ってきた。横を見れば、遠く遠く鳥を見送っていた。
「飛べてしまえば、この世界の小ささを知ってしまうだろう。そして、それ以上に自分が小さいことも。それはきっと辛いことだろうな」
「……そんなものでしょうか」
「そんなものだ」
いつになく儚げに、寂しそうに蒼也さんはそう言った。私は、高く空を飛んだ時の風景を想像する。人も街も小さく見えて、地平線の見える風景を。それはきっと、世界に祝福を受けている様な、世界を全て愛せる様な、美しい光景なんじゃないだろうか。
「やっぱり、私は飛んでみたいです。きっと素敵ですよ」
「そうか。じゃあ俺も、飛べなくてはならないな」
「どうしてですか?」
「決まっている。お前を守るためだ」
なんの迷いもなく、真っ直ぐにそう言われてしまっては照れてしまう。照れ隠しに、
「子供じゃないから1人で大丈夫です」
なんて、素直じゃないことを言った。くつくつ風間さんは笑い出す。
「なんだ、俺に守られるのは嫌か?」
「そうは言ってないです! ただ1人でも平気って話です!」
「そうだな。お前は元気だからな」
蒼也さんはひとしきり笑うと、困った様な切ない表情になった。ドキリとしてしまうくらい。
「ひとつだけ約束をしよう。何があっても、俺の元に戻ってこい。出来れば、いつも俺の守れる範囲から出るな。そうして欲しい」
真剣な赤い目が私を射抜く。けれどそんなこと言われなくたって、私は蒼也さんの傍を離れることなんて出来ないのに。
「約束しますよ。どこにも行きません」
「ありがとう、あき。……愛してるぞ」
恥ずかしそうに、けれどしっかりとした音の愛してるは、私を地上に結びつけるのには充分すぎた。