short-1-
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大学院での研究に、ボーダーの防衛任務。後輩によく慕われて、なかなか暇な時間がない私の彼氏。その代わりに、毎日夜寝る前は電話をくれて、今日あったことを話し合う。なんだか同じ街に住んでるのに遠距離みたいな距離感だけど、それでも春秋しかいないと思えるほど、私は彼が好きで、愛しているのだと思う。そんな春秋と、本当に久しぶりのデート。春秋は夜間の任務明けにそのまま私と会ってくれると言った。疲れてしまうからいいよ、と言ったのだが、
「俺があきに会いたいんだ」
と優しく少し疲れたような声で言われたら、断る理由などない。待ち合わせ場所と時間以外、なにも決まっていないデートを、私は心待ちにしていたのだ。それなのに、今朝の私の夢見は最悪だった。私と春秋が近界民に襲われて、春秋が私を庇って死ぬ夢。自分が叫ぶ声で目が覚めて、身体中べっとりと汗をかいていた。汗が春秋の血のような感覚に襲われて、目の前がグラグラに揺れた。しばらく悪夢を見たと認識出来なくて、ベットから動けずにうずくまった。しばらくしてだんだんと落ち着いてきたら、待ち合わせの時間が近づいていて。あまりオシャレも出来ずに慌てて家を出た。結局、10分くらい春秋を待たせてしまった。息を切らしてきた私を見兼ねて、春秋はすぐ近くのカフェに私を誘った。席について、私を長椅子の方に座らせて、笑顔で話す春秋。けれど、どうにも内容が頭に入ってこない。
「……あき? あき!」
焦るような春秋の声ではっと我に帰る。私と目を合わせて、春秋は苦笑した。
「今日はなんか元気ないんだな。遅刻を気にしてるわけでもないだろう?」
「うん……」
「なんかあったのか? なんでも聞くよ」
大好きな春秋に会っているのだ。心配をかけたくないし、出来れば春秋を元気づけたい。けれど、今朝のショックが大きすぎて取り繕えそうになかった。
「あのね、こんなの子供かって思うかもしれないけど」
「思わないよ。話しなさい」
促されて、ぽつぽつと私は今朝の夢を話した。今思い出しても身体が震える。春秋は黙って聞いていた。
「怖かったの……春秋が死んじゃうんじゃないかって」
「……そうか」
春秋は顎に手を当てた。それは春秋が考え事をする時の癖だ。
「なにがあるか分からないからな。そんな安全な街に住んでるとは思ってない」
春秋の冷静な言葉に、サッと血の気が引くのが分かった。次いで、目頭が熱くなる。潤む視界で、春秋が慌てるのが見えた。
「悪い、不安にさせてどうするんだって話だよな。ごめん」
春秋は向かい側の椅子から立ち上がると、私のすぐ隣に座り直した。私を引き寄せると、子供をあやすように背中を撫ぜる。
「春秋、ここ外、」
「知ってるよ。これでも恥ずかしいんだから言わないで」
春秋の声が胸に響いている。それを頬に感じていると、不安が少し薄れていく。けれど、冷静な思考が「この温もりがなくなったら」と恐怖を煽った。きゅっと春秋のトレーナーを握りしめた。
「相当怖かったんだな。ごめんな」
「なんで春秋が謝るの」
「夢とはいえ、ちゃんと守りきれなかったから。悪かった。俺が強い男だったら、あきをちゃんと守れるはずだろう。不安にさせたのは俺だ。本当にごめん」
暖かさと優しさで、涙を止めることが困難だ。春秋の服を濡らしながら、しゃっくりを繰り返す。
「少し落ち着いたら、今日は俺の家で過ごそうか? 俺もあきとゆっくり話したい」
春秋を1日独り占めに出来れば、この不安は消えてなくなるだろうか。でも、素直に春秋といれるのが嬉しくて、私は涙ながらに頷いた。
「俺があきに会いたいんだ」
と優しく少し疲れたような声で言われたら、断る理由などない。待ち合わせ場所と時間以外、なにも決まっていないデートを、私は心待ちにしていたのだ。それなのに、今朝の私の夢見は最悪だった。私と春秋が近界民に襲われて、春秋が私を庇って死ぬ夢。自分が叫ぶ声で目が覚めて、身体中べっとりと汗をかいていた。汗が春秋の血のような感覚に襲われて、目の前がグラグラに揺れた。しばらく悪夢を見たと認識出来なくて、ベットから動けずにうずくまった。しばらくしてだんだんと落ち着いてきたら、待ち合わせの時間が近づいていて。あまりオシャレも出来ずに慌てて家を出た。結局、10分くらい春秋を待たせてしまった。息を切らしてきた私を見兼ねて、春秋はすぐ近くのカフェに私を誘った。席について、私を長椅子の方に座らせて、笑顔で話す春秋。けれど、どうにも内容が頭に入ってこない。
「……あき? あき!」
焦るような春秋の声ではっと我に帰る。私と目を合わせて、春秋は苦笑した。
「今日はなんか元気ないんだな。遅刻を気にしてるわけでもないだろう?」
「うん……」
「なんかあったのか? なんでも聞くよ」
大好きな春秋に会っているのだ。心配をかけたくないし、出来れば春秋を元気づけたい。けれど、今朝のショックが大きすぎて取り繕えそうになかった。
「あのね、こんなの子供かって思うかもしれないけど」
「思わないよ。話しなさい」
促されて、ぽつぽつと私は今朝の夢を話した。今思い出しても身体が震える。春秋は黙って聞いていた。
「怖かったの……春秋が死んじゃうんじゃないかって」
「……そうか」
春秋は顎に手を当てた。それは春秋が考え事をする時の癖だ。
「なにがあるか分からないからな。そんな安全な街に住んでるとは思ってない」
春秋の冷静な言葉に、サッと血の気が引くのが分かった。次いで、目頭が熱くなる。潤む視界で、春秋が慌てるのが見えた。
「悪い、不安にさせてどうするんだって話だよな。ごめん」
春秋は向かい側の椅子から立ち上がると、私のすぐ隣に座り直した。私を引き寄せると、子供をあやすように背中を撫ぜる。
「春秋、ここ外、」
「知ってるよ。これでも恥ずかしいんだから言わないで」
春秋の声が胸に響いている。それを頬に感じていると、不安が少し薄れていく。けれど、冷静な思考が「この温もりがなくなったら」と恐怖を煽った。きゅっと春秋のトレーナーを握りしめた。
「相当怖かったんだな。ごめんな」
「なんで春秋が謝るの」
「夢とはいえ、ちゃんと守りきれなかったから。悪かった。俺が強い男だったら、あきをちゃんと守れるはずだろう。不安にさせたのは俺だ。本当にごめん」
暖かさと優しさで、涙を止めることが困難だ。春秋の服を濡らしながら、しゃっくりを繰り返す。
「少し落ち着いたら、今日は俺の家で過ごそうか? 俺もあきとゆっくり話したい」
春秋を1日独り占めに出来れば、この不安は消えてなくなるだろうか。でも、素直に春秋といれるのが嬉しくて、私は涙ながらに頷いた。