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『お前、明日早起き出来るか?』
突然、公平からそんなメールが着た。何をしたいのか読めなかったので、
『何時頃? なにするの?』
と返信したら、すぐに携帯が鳴って、
『まだ外暗いうち。5時ぐらいかな? 俺これから夜間任務だから、もう返信出来ねぇ』
と何をするのかは隠された。けれど、公平が積極的になにか誘ってくるのは珍しいので、
『分かった、起きてみる。いってらっしゃい。』
と深くは追求せず好きにさせた。慌てて打っただろう、
『いってきます』
の返信が、なんか夫婦のようでじんわり胸が熱くなった。そうと決まれば、ゆっくりはしてられない。私は急いで歯を磨き、いつもより早めにベットに入った。
ヴーヴーッと携帯が鳴る音で目が覚めた。時計を見ればまだ明け方で、公平からの着信だった。寝ぼけた頭で電話に出る。
「はぁい……?」
ふっと公平が笑いをこらえる声が聞こえる。
「その感じだと、今起きた感じだな?」
「……あっ!!」
急速に頭が覚醒して、昨晩の約束を思い出す。飛び起きて、平謝りしながら外に出る支度をする。
「ごめん、すぐ着替えるから」
「おー急げよ? まだ間に合うけど。今お前ん家の玄関前にいるからさ」
間に合う? なにか時間が決まってるのだろうか? 考える暇もなく、ジーンズを履き長袖のトレーナーをパジャマの上から着た。コートを引っ掴み、努めて静かに部屋を出て玄関を出た。公平はまだボーダーの制服を着ていた。
「お待たせ! お仕事お疲れ様!」
「ん。早く行こうぜ」
公平は私の右手を取ると走り出した。強く引っ張られ、急な慣れない運動に息が切れて足がもつれる。
「ちょっ、と、待って、公平」
「そっか、あき生身だもんな。ついてこれないよな」
公平は一度立ち止まると、ふわっと私を抱き上げた。
「うわっ!」
「しゃーねえ。間に合わねぇから運んでやるよ」
軽々と公平は私を抱えて、変わらずに走る。お姫様のように運ばれながら、公平の顔を見つめてドキドキしていた。まだ目覚めていない街を駆け抜けて、警戒区域へと足を踏み入れる。昔よく遊んでいた公園を通り過ぎて、少し小高い丘までやってきた。三門市を見下ろせるこの場所は、長いこと人が来ていないのだろう。目立つ場所なのに秘密基地に来たようなときめきに包まれていた。公平は私を降ろすと、
「間に合ったな。そろそろだぞ」
とワクワクした顔で言った。風が吹いて身体が震えると、後ろから抱きしめられて温めてくれる。今日の公平は、いつもよりも大胆だ。ドキドキと心臓が動いて、胸がいっぱいになる。高まる気持ちに合わせるように、地平線の彼方から、ゆっくりと太陽の光が三門市を照らした。徐々に晴れやかなオレンジに染まる街を、宝石を眺めるような気持ちで見下ろした。
「綺麗……」
「だろ? この前任務でたまたま見つけたんだ。……お前と見たくてさ」
公平は照れ臭そうにして、抱きしめる力を強くした。この世界に2人しかいないような、静かな朝。けれど、ちっとも寂しくないし温かかった。新しく生まれた今日という日を、公平と生きられて幸福だと思った。
「ありがとう、公平。すごく幸せ」
「…………俺も」
朝日を浴びながら、私達は秘密で特別なキスをした。なにも言わなくても、2人の未来を約束するようなそんなキス。それをお日様だけがそっと見守っていた。祝福するように、世界は生まれ変わり目覚めていく。2羽の小鳥が、澄んだ空を高く高く飛んでいった。
突然、公平からそんなメールが着た。何をしたいのか読めなかったので、
『何時頃? なにするの?』
と返信したら、すぐに携帯が鳴って、
『まだ外暗いうち。5時ぐらいかな? 俺これから夜間任務だから、もう返信出来ねぇ』
と何をするのかは隠された。けれど、公平が積極的になにか誘ってくるのは珍しいので、
『分かった、起きてみる。いってらっしゃい。』
と深くは追求せず好きにさせた。慌てて打っただろう、
『いってきます』
の返信が、なんか夫婦のようでじんわり胸が熱くなった。そうと決まれば、ゆっくりはしてられない。私は急いで歯を磨き、いつもより早めにベットに入った。
ヴーヴーッと携帯が鳴る音で目が覚めた。時計を見ればまだ明け方で、公平からの着信だった。寝ぼけた頭で電話に出る。
「はぁい……?」
ふっと公平が笑いをこらえる声が聞こえる。
「その感じだと、今起きた感じだな?」
「……あっ!!」
急速に頭が覚醒して、昨晩の約束を思い出す。飛び起きて、平謝りしながら外に出る支度をする。
「ごめん、すぐ着替えるから」
「おー急げよ? まだ間に合うけど。今お前ん家の玄関前にいるからさ」
間に合う? なにか時間が決まってるのだろうか? 考える暇もなく、ジーンズを履き長袖のトレーナーをパジャマの上から着た。コートを引っ掴み、努めて静かに部屋を出て玄関を出た。公平はまだボーダーの制服を着ていた。
「お待たせ! お仕事お疲れ様!」
「ん。早く行こうぜ」
公平は私の右手を取ると走り出した。強く引っ張られ、急な慣れない運動に息が切れて足がもつれる。
「ちょっ、と、待って、公平」
「そっか、あき生身だもんな。ついてこれないよな」
公平は一度立ち止まると、ふわっと私を抱き上げた。
「うわっ!」
「しゃーねえ。間に合わねぇから運んでやるよ」
軽々と公平は私を抱えて、変わらずに走る。お姫様のように運ばれながら、公平の顔を見つめてドキドキしていた。まだ目覚めていない街を駆け抜けて、警戒区域へと足を踏み入れる。昔よく遊んでいた公園を通り過ぎて、少し小高い丘までやってきた。三門市を見下ろせるこの場所は、長いこと人が来ていないのだろう。目立つ場所なのに秘密基地に来たようなときめきに包まれていた。公平は私を降ろすと、
「間に合ったな。そろそろだぞ」
とワクワクした顔で言った。風が吹いて身体が震えると、後ろから抱きしめられて温めてくれる。今日の公平は、いつもよりも大胆だ。ドキドキと心臓が動いて、胸がいっぱいになる。高まる気持ちに合わせるように、地平線の彼方から、ゆっくりと太陽の光が三門市を照らした。徐々に晴れやかなオレンジに染まる街を、宝石を眺めるような気持ちで見下ろした。
「綺麗……」
「だろ? この前任務でたまたま見つけたんだ。……お前と見たくてさ」
公平は照れ臭そうにして、抱きしめる力を強くした。この世界に2人しかいないような、静かな朝。けれど、ちっとも寂しくないし温かかった。新しく生まれた今日という日を、公平と生きられて幸福だと思った。
「ありがとう、公平。すごく幸せ」
「…………俺も」
朝日を浴びながら、私達は秘密で特別なキスをした。なにも言わなくても、2人の未来を約束するようなそんなキス。それをお日様だけがそっと見守っていた。祝福するように、世界は生まれ変わり目覚めていく。2羽の小鳥が、澄んだ空を高く高く飛んでいった。