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「公平ー、お弁当箱洗っちゃうから出してー」
「おう」
居間でテレビを観ている公平に声をかける。夕飯を終え、私はめんどくさくなる前に洗い物を済ませている最中だ。公平はのそのそとやって来て、流しの端っこにお弁当箱を置いた。中身は、綺麗に空っぽだ。
「……あー、姉ちゃん」
「何?」
食器を洗う手は止めずに、公平の言葉を待つ。視界の端で、何か言いたげに口をもごもご動かしている。
「えっと、今日の弁当、美味しかった。サンキュ」
それだけ言うと、居間のソファーに戻っていった。よし。と心の中でほくそ笑む。朝早く起きてわざわざエビフライを揚げたかいがあったというものだ。デザートにはみかんもつけた。全てはもうすぐ来る私の誕生日にいいものを買わせるためのポイント稼ぎであることを弟は知らないだろう。上機嫌で、私は弁当箱を綺麗に磨いた。
姉ちゃんはしっかりした女だ。そしてちゃっかりしている。姉ちゃんは、母さんと日毎交代で俺の弁当を作ってくれている。そこにはとても感謝してる。けど、毎度毎度ポイント稼ぎが露骨だと思う。俺だって小さい頃は、姉ちゃんが優しい理由に気付かずに、大好きな姉ちゃんの誕生日を祝ってたんだ。けど、姉ちゃんが優しいのには裏がある、ということに小学生高学年くらいで気付いた。俺が気付いたことに多分姉ちゃんは気付いてない。そういうとこは、単純で可愛いなと思ってしまう。嫁に行っても、多分いい奥さんになるんだろう。旦那さんにも誕生日近くなったらご機嫌取りすんのかな。
「分かりやすくていいけどな」
それまでは、俺は騙されておこうと思う。姉ちゃんが今欲しいもん、なんだったかな。
「おう」
居間でテレビを観ている公平に声をかける。夕飯を終え、私はめんどくさくなる前に洗い物を済ませている最中だ。公平はのそのそとやって来て、流しの端っこにお弁当箱を置いた。中身は、綺麗に空っぽだ。
「……あー、姉ちゃん」
「何?」
食器を洗う手は止めずに、公平の言葉を待つ。視界の端で、何か言いたげに口をもごもご動かしている。
「えっと、今日の弁当、美味しかった。サンキュ」
それだけ言うと、居間のソファーに戻っていった。よし。と心の中でほくそ笑む。朝早く起きてわざわざエビフライを揚げたかいがあったというものだ。デザートにはみかんもつけた。全てはもうすぐ来る私の誕生日にいいものを買わせるためのポイント稼ぎであることを弟は知らないだろう。上機嫌で、私は弁当箱を綺麗に磨いた。
姉ちゃんはしっかりした女だ。そしてちゃっかりしている。姉ちゃんは、母さんと日毎交代で俺の弁当を作ってくれている。そこにはとても感謝してる。けど、毎度毎度ポイント稼ぎが露骨だと思う。俺だって小さい頃は、姉ちゃんが優しい理由に気付かずに、大好きな姉ちゃんの誕生日を祝ってたんだ。けど、姉ちゃんが優しいのには裏がある、ということに小学生高学年くらいで気付いた。俺が気付いたことに多分姉ちゃんは気付いてない。そういうとこは、単純で可愛いなと思ってしまう。嫁に行っても、多分いい奥さんになるんだろう。旦那さんにも誕生日近くなったらご機嫌取りすんのかな。
「分かりやすくていいけどな」
それまでは、俺は騙されておこうと思う。姉ちゃんが今欲しいもん、なんだったかな。