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本日は非番の影浦隊隊室。しかし、隊長の影浦はだらだらするためだけにわざわざ訪れていた。道連れに自分の彼女を連れ込んで。月1くらいの周期であるこの日は、暗黙の了解で他のメンバーは隊室にやって来なかった。ただ、影浦がだらだらするためだけの日。だが、
「ちょっと、影浦君! 私家で片付けなきゃいけない課題があるんだけど!」
とうの彼女本人は、この自堕落な拘束をよくは思っていないようで。
「あぁ? そんなもん帰ってからやれ」
「だから、影浦君が帰してくれないんでしょ!」
ごろりと寝そべった影浦の腕に掴まれ閉じ込められて、早乙女は帰ることが出来ない。部外者の彼女がボーダーの本部にいることも問題ではあるのだが、影浦のすることなのでこちらも黙認されている。
「お前はつまんねえことで忙しすぎんだよ。ちょっとは俺に付き合え」
「つまんないことってなによ。勉強も委員会活動も部活も、全部大切なことでしょ」
「あーはいはい。真面目ないい子ちゃんはいいから」
「その言い方やめて!」
じたばた暴れる早乙女を、あやすように影浦は頭を撫でた。早乙女の言う委員会活動とは、生徒会のことである。彼女は三門市立第一高等学校の、生徒会長を務めていた。学校でも度々問題を起こす影浦を、恐れずに早乙女が叱りつけたのが二人の出会い。生徒会長と不良、まるで漫画かドラマのような関係の二人は、見えているものも大事にするものも違っていて、それこそ挨拶がわりに衝突を繰り返す。
「とにかく、私帰るから!」
言って早乙女が大きく抵抗することはなかった。にやりと影浦は笑みを作る。
「そんなこと言って、帰るつもりねーんじゃねぇか。素直じゃねぇな」
「なっ……! またその変な能力使って……そんなの影浦君の勘違いでしょ!」
「名前」
ぎくっと早乙女の肩が揺れる。ますます影浦は笑みを深くした。
「2人でいるときは、名前で呼ぶって約束したよな? あき」
「…………雅人くん」
早乙女は顔を赤らめてそれ以上はなにも言わなかった。恥ずかしさを隠すように、影浦の胸に顔をうずめる。くつくつと影浦は笑い出した。
「なによ、笑わないでよ……」
「笑わずにいられるかよ。可愛いやつ」
言えば、早乙女は照れ隠しに影浦の胸を叩く。影浦は抱く腕に力を込めた。
「寝ちまおーぜ、このまま。いい夢見れそうだ」
お互いの体温が溶けあって、心地よい眠気を誘う。優しく影浦は彼女の背中を撫でた。撫でる手が、だんだん力なくゆっくりになっていく。
「……起きたら雅人くんも課題するのよ」
そんなのごめんだ、と影浦は夢うつつで思った。
「ちょっと、影浦君! 私家で片付けなきゃいけない課題があるんだけど!」
とうの彼女本人は、この自堕落な拘束をよくは思っていないようで。
「あぁ? そんなもん帰ってからやれ」
「だから、影浦君が帰してくれないんでしょ!」
ごろりと寝そべった影浦の腕に掴まれ閉じ込められて、早乙女は帰ることが出来ない。部外者の彼女がボーダーの本部にいることも問題ではあるのだが、影浦のすることなのでこちらも黙認されている。
「お前はつまんねえことで忙しすぎんだよ。ちょっとは俺に付き合え」
「つまんないことってなによ。勉強も委員会活動も部活も、全部大切なことでしょ」
「あーはいはい。真面目ないい子ちゃんはいいから」
「その言い方やめて!」
じたばた暴れる早乙女を、あやすように影浦は頭を撫でた。早乙女の言う委員会活動とは、生徒会のことである。彼女は三門市立第一高等学校の、生徒会長を務めていた。学校でも度々問題を起こす影浦を、恐れずに早乙女が叱りつけたのが二人の出会い。生徒会長と不良、まるで漫画かドラマのような関係の二人は、見えているものも大事にするものも違っていて、それこそ挨拶がわりに衝突を繰り返す。
「とにかく、私帰るから!」
言って早乙女が大きく抵抗することはなかった。にやりと影浦は笑みを作る。
「そんなこと言って、帰るつもりねーんじゃねぇか。素直じゃねぇな」
「なっ……! またその変な能力使って……そんなの影浦君の勘違いでしょ!」
「名前」
ぎくっと早乙女の肩が揺れる。ますます影浦は笑みを深くした。
「2人でいるときは、名前で呼ぶって約束したよな? あき」
「…………雅人くん」
早乙女は顔を赤らめてそれ以上はなにも言わなかった。恥ずかしさを隠すように、影浦の胸に顔をうずめる。くつくつと影浦は笑い出した。
「なによ、笑わないでよ……」
「笑わずにいられるかよ。可愛いやつ」
言えば、早乙女は照れ隠しに影浦の胸を叩く。影浦は抱く腕に力を込めた。
「寝ちまおーぜ、このまま。いい夢見れそうだ」
お互いの体温が溶けあって、心地よい眠気を誘う。優しく影浦は彼女の背中を撫でた。撫でる手が、だんだん力なくゆっくりになっていく。
「……起きたら雅人くんも課題するのよ」
そんなのごめんだ、と影浦は夢うつつで思った。