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久しぶり、2週間ぶりの彼とのふたりきり。誰にも邪魔されたくないから、両親の帰りが遅い自分の家に呼んだ。お菓子とジュース買って、陽介は漫画とか持ち込んで、部屋でダラダラする。私の家に誘った時の反応は「おお、いいぜ」で、家に誰もいないと言った時の反応は「えっ、いいのか?」だった。それ以上は躊躇う様子も恥じらう様子もなく、今も変わりなく私の部屋で寛いでいる。
「よーすけー」
「んー?」
「……なんでもない」
漫画に集中している陽介の横顔を見たら、怖くてなにも言い出せなくなる。それを察しているのか、陽介は右手で私の頭を撫でた。その優しさが、私の胸を甘く締め付ける。もっと、もっと欲しい。もっと貴方に近づきたい。けれど、言ってしまったら終わってしまう気がして。
「…………なんかごめんな?」
「え、」
「その、辛そうな顔させちまって」
陽介は申し訳なさそうに、眉尻を下げて笑った。知られていたというのか。この、ドロドロとした醜い恋慕を。分かった上で、なにもしないというのか。
「…………じゃあ、なんで一緒にいてくれないの?」
「……それは、」
「分かってるなら、もうちょっと構ってくれたっていいじゃん。私陽介の彼女じゃないの?」
「彼女、だよ」
「じゃあなんで、私より出水君とか後輩と一緒にいるの?」
ああ、だめだ。堰を切ったように感情が溢れて、目の前がぼやける。言うつもりなかった、踏み込んじゃいけないと思ってたのに。陽介は困ったように頬を掻いた。
「……泣くなよ」
「なんで、なんで私が一番じゃないの……」
苦しくて、惨めで、情けなくて、私は顔をおおった。陽介の顔なんて見てられなかった。陽介が近づいてくる気配がして、二本の腕が優しく私を包む。
「うっ、ぐすっ、離して、」
「離さねえ。ここで離したら、お前の彼氏じゃなくなる」
少し抱き締める力が強くなる。それだけで、陽介のこといっそう手放せなくなる。ふう、と陽介はため息を吐く。
「………なにが一番とか、俺には決めらんねぇ」
「選んでよ。いっそのこと、私のこと捨ててよ」
「無理。選べてたら、最初から好きになってない」
陽介の声色も、どこか苦しそうで。胸が詰まる。
「好きだよ。あきのこと。どうしたら分かってくれっかなぁ……」
「私も、陽介が好き。大好き」
なんで気持ちは同じなのに、こんなにもすれ違うのだろうか。このまま溶けてしまって、陽介の一部になれたらいいのに。
「……もっと俺にわがまま言ってくれていいのにな」
ぽつり、とそう呟かれた。駄目、だめなの。貴方の全てを手に入れるまで、歯止めが効かなくなりそうで怖いから。
「よーすけー」
「んー?」
「……なんでもない」
漫画に集中している陽介の横顔を見たら、怖くてなにも言い出せなくなる。それを察しているのか、陽介は右手で私の頭を撫でた。その優しさが、私の胸を甘く締め付ける。もっと、もっと欲しい。もっと貴方に近づきたい。けれど、言ってしまったら終わってしまう気がして。
「…………なんかごめんな?」
「え、」
「その、辛そうな顔させちまって」
陽介は申し訳なさそうに、眉尻を下げて笑った。知られていたというのか。この、ドロドロとした醜い恋慕を。分かった上で、なにもしないというのか。
「…………じゃあ、なんで一緒にいてくれないの?」
「……それは、」
「分かってるなら、もうちょっと構ってくれたっていいじゃん。私陽介の彼女じゃないの?」
「彼女、だよ」
「じゃあなんで、私より出水君とか後輩と一緒にいるの?」
ああ、だめだ。堰を切ったように感情が溢れて、目の前がぼやける。言うつもりなかった、踏み込んじゃいけないと思ってたのに。陽介は困ったように頬を掻いた。
「……泣くなよ」
「なんで、なんで私が一番じゃないの……」
苦しくて、惨めで、情けなくて、私は顔をおおった。陽介の顔なんて見てられなかった。陽介が近づいてくる気配がして、二本の腕が優しく私を包む。
「うっ、ぐすっ、離して、」
「離さねえ。ここで離したら、お前の彼氏じゃなくなる」
少し抱き締める力が強くなる。それだけで、陽介のこといっそう手放せなくなる。ふう、と陽介はため息を吐く。
「………なにが一番とか、俺には決めらんねぇ」
「選んでよ。いっそのこと、私のこと捨ててよ」
「無理。選べてたら、最初から好きになってない」
陽介の声色も、どこか苦しそうで。胸が詰まる。
「好きだよ。あきのこと。どうしたら分かってくれっかなぁ……」
「私も、陽介が好き。大好き」
なんで気持ちは同じなのに、こんなにもすれ違うのだろうか。このまま溶けてしまって、陽介の一部になれたらいいのに。
「……もっと俺にわがまま言ってくれていいのにな」
ぽつり、とそう呟かれた。駄目、だめなの。貴方の全てを手に入れるまで、歯止めが効かなくなりそうで怖いから。