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今日は防衛任務で槍バカがお昼から早退した。あいつがいないと俺の周りはかなり静かになって、落ち着くようなちょっと物足りないような。外は快晴、まだまだ夏の日差しが健在で、そのせいで教室はクーラーが効きすぎていた。寒い。そう呟いたら、5限と6限の中休みに早乙女が「これでよかったら」ってパーカー貸してくれた。男前か。少し前の席の早乙女を見る。午後の授業から一生懸命取っているノートは米屋に見せるためなんだろう。早乙女も馬鹿だから無理すんな、と思うと同時に、健気だよなあと少し槍バカが羨ましかった。借りたパーカーからは女子特有のいい匂いがして、あいつも女の子なんだなあって。そんなことを考えていたら終業のチャイムが鳴った。
「出水~一緒に帰ろ~」
「ん」
早乙女の帰り支度は早い。殆ど教科書置いていってるせいもあるんだろうけど、動きがテキパキしていて爽やかなのだ。まだ準備が出来てない俺を、急かすことなく待ってくれる。
「今日どうする? ランク戦行く?」
「お前はもうちょっと勉強した方がいいだろ」
「えーそれは言わないでよー」
鞄を肩にかけ、下駄箱へ歩き出す。早乙女との会話は気を使わなくて楽だ。遠慮がないし、かといって気遣いがないわけじゃない。おしゃべりを楽しみながら、校門を抜けて夕暮れの街を2人で歩く。
「ねえ、やっぱり寄り道しようよ」
早乙女は遊ぶのが好きだ。帰りに寄り道するのはしょっちゅう。……早乙女のことはよく知っている。よく知っているのだ。
「……いいのかよ、彼氏いない間に俺と遊んじまって」
知らない奴が見れば、今俺と早乙女は恋人同士に見えるだろう。
「?? 出水は友達だし」
即答。何の迷いも、恥じらいもなく。なにを言っているんだとでも言いたげな顔。その反応が悔しくて、ちょっと意地悪をしたくなった。
「俺はそう思ってねえって言ったらどうすんだよ」
「えっ、私と出水友達じゃないの?」
「いや、そうじゃねーし!」
「えっショック……」
「いや、だから! あーもう!」
好きだって言ったらどんな反応すんのか見たかったのに、想定外の方向に話は飛んでいく。早乙女はしゅんと叱られた犬みたいに落ち込んでいる。くそ。
「ーっ、友達だよ! 早乙女と俺は、友達!」
こんなこと、改めて口に出すなんて恥ずかしすぎる。嘘の告白をするよりも、ずっと頬は熱を持った。早乙女は俺の言葉を聞くと安心したように笑う。
「そっか! 良かったー嫌われたかと思った!」
「……おう」
「じゃあさ、あそこでお茶していこ!」
「分かった」
笑顔が素敵な女だと思う。一緒にいる時間は同じだったのに、どうしてあいつだったのか。俺だって早乙女を選ばなかったんだから、そんなこと言える権利はないけど。けど、欠片も男として意識されてねえのは、ちょっとショックなわけで。
「はーやーくー!」
「へいへい」
そんな俺の気も知らず、無邪気に先を歩く彼女は、間違いなく俺の大事な友達。
「出水~一緒に帰ろ~」
「ん」
早乙女の帰り支度は早い。殆ど教科書置いていってるせいもあるんだろうけど、動きがテキパキしていて爽やかなのだ。まだ準備が出来てない俺を、急かすことなく待ってくれる。
「今日どうする? ランク戦行く?」
「お前はもうちょっと勉強した方がいいだろ」
「えーそれは言わないでよー」
鞄を肩にかけ、下駄箱へ歩き出す。早乙女との会話は気を使わなくて楽だ。遠慮がないし、かといって気遣いがないわけじゃない。おしゃべりを楽しみながら、校門を抜けて夕暮れの街を2人で歩く。
「ねえ、やっぱり寄り道しようよ」
早乙女は遊ぶのが好きだ。帰りに寄り道するのはしょっちゅう。……早乙女のことはよく知っている。よく知っているのだ。
「……いいのかよ、彼氏いない間に俺と遊んじまって」
知らない奴が見れば、今俺と早乙女は恋人同士に見えるだろう。
「?? 出水は友達だし」
即答。何の迷いも、恥じらいもなく。なにを言っているんだとでも言いたげな顔。その反応が悔しくて、ちょっと意地悪をしたくなった。
「俺はそう思ってねえって言ったらどうすんだよ」
「えっ、私と出水友達じゃないの?」
「いや、そうじゃねーし!」
「えっショック……」
「いや、だから! あーもう!」
好きだって言ったらどんな反応すんのか見たかったのに、想定外の方向に話は飛んでいく。早乙女はしゅんと叱られた犬みたいに落ち込んでいる。くそ。
「ーっ、友達だよ! 早乙女と俺は、友達!」
こんなこと、改めて口に出すなんて恥ずかしすぎる。嘘の告白をするよりも、ずっと頬は熱を持った。早乙女は俺の言葉を聞くと安心したように笑う。
「そっか! 良かったー嫌われたかと思った!」
「……おう」
「じゃあさ、あそこでお茶していこ!」
「分かった」
笑顔が素敵な女だと思う。一緒にいる時間は同じだったのに、どうしてあいつだったのか。俺だって早乙女を選ばなかったんだから、そんなこと言える権利はないけど。けど、欠片も男として意識されてねえのは、ちょっとショックなわけで。
「はーやーくー!」
「へいへい」
そんな俺の気も知らず、無邪気に先を歩く彼女は、間違いなく俺の大事な友達。