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狙撃手たるもの、常に周りの動向には気をつけなければならない。誰がなにをしようとしていて、誰の存在が見えていなくて、誰が自分を狙っているのか。そして、自分は誰を撃ち抜くのか。一瞬の判断が、自分の、隊の生死を分ける。だからなのか、俺は他人の気配には敏感だ。そうなりたかったわけじゃないが、特に女性が近づいてくる気配には。今も後ろから自分に近づいてきている気配がする。ボーダー本部内、日浦か玲ならいいのだが。俺は意を決して振り返り近づいてくる人物を確認した。
「!!?」
「……あきさん」
少し予想外の人物だ。あきさんも驚いた顔をしていて、なにやらあわあわと手を動かしている。少し考えて、今の自分の格好からある答えに行き着いた。
「荒船さんだと思いました?」
「!!」
俺はまだ換装体になっていなくて、進学校のブレザーを着ている。荒船さんと同じ制服だ。微笑んで問えば、顔を真っ赤にして首を横に振る。そんな反応じゃ、否定になんてなりはしないのに。本当に、可愛らしい人だ。少し意地悪をしたくなった。
「へえ、荒船さんと間違えたわけじゃないんですね」
コクコクと頷き、全身でYESを表現される。小動物みたいだ。その肩にそっと触れ、やんわり壁に追いやる。びっくりした顔になるが、特に抵抗はされない。
「じゃあ、俺に用があって駆け寄ってくれたんですよね。嬉しいな」
「!!??」
顔の横に手を置き、笑いかける。壁ドンというシチュエーションに、ついていけないのかあきさんは視線を泳がせる。さらに追い打ちをかけるように、俺はあきさんの顎をすくってこちらを向かせた。
「!?……!?」
「なんだろうな。俺、期待しちゃいますよ?」
「っ……な、奈良坂く、」
「なにやってんだ奈良坂」
怒気の含まれた声に振り向けば、鬼の形相の荒船さんがいた。これ以上はまずいと思っていたので、いいタイミングだ。あきさんは荒船さんの姿を見つけると、俺から逃げ出して荒船さんの胸にすがりついた。大胆だな。怖い顔をしていた荒船さんは一瞬で固まった。
「あきさんが可愛いので、ちょっと悪戯しちゃいました」
「……怖がってんだろ」
「そうですね。ちょっと度が過ぎました」
睨む荒船さんに構わず、あきさんの肩を叩き、屈んで顔を覗き込んだ。
「あきさんすいません、ちょっと意地悪でした。俺のこと、嫌いにならないでくださいね?」
もう一度微笑めば、涙目で頷いてくれた。その反応に、無意識に笑みが出た。荒船さんは、急な接近に未だに固まっていて、両手はあきさんに触れるか触れないかの所を彷徨っている。それがまた可笑しかった。
「あんまりうかうかしてると、俺が仕留めちゃいますよ」
全然そんな気もないのに、そんな宣戦布告を告げて、その場を離れる。こんな可愛らしい人たちは、さっさと幸せになればいいのだ。もう一度2人を見れば、あきさんがばっと離れて頭を下げまくっていた。それに荒船さんがおろおろしている。くっつくのはもう少し先の話かもしれない。
「!!?」
「……あきさん」
少し予想外の人物だ。あきさんも驚いた顔をしていて、なにやらあわあわと手を動かしている。少し考えて、今の自分の格好からある答えに行き着いた。
「荒船さんだと思いました?」
「!!」
俺はまだ換装体になっていなくて、進学校のブレザーを着ている。荒船さんと同じ制服だ。微笑んで問えば、顔を真っ赤にして首を横に振る。そんな反応じゃ、否定になんてなりはしないのに。本当に、可愛らしい人だ。少し意地悪をしたくなった。
「へえ、荒船さんと間違えたわけじゃないんですね」
コクコクと頷き、全身でYESを表現される。小動物みたいだ。その肩にそっと触れ、やんわり壁に追いやる。びっくりした顔になるが、特に抵抗はされない。
「じゃあ、俺に用があって駆け寄ってくれたんですよね。嬉しいな」
「!!??」
顔の横に手を置き、笑いかける。壁ドンというシチュエーションに、ついていけないのかあきさんは視線を泳がせる。さらに追い打ちをかけるように、俺はあきさんの顎をすくってこちらを向かせた。
「!?……!?」
「なんだろうな。俺、期待しちゃいますよ?」
「っ……な、奈良坂く、」
「なにやってんだ奈良坂」
怒気の含まれた声に振り向けば、鬼の形相の荒船さんがいた。これ以上はまずいと思っていたので、いいタイミングだ。あきさんは荒船さんの姿を見つけると、俺から逃げ出して荒船さんの胸にすがりついた。大胆だな。怖い顔をしていた荒船さんは一瞬で固まった。
「あきさんが可愛いので、ちょっと悪戯しちゃいました」
「……怖がってんだろ」
「そうですね。ちょっと度が過ぎました」
睨む荒船さんに構わず、あきさんの肩を叩き、屈んで顔を覗き込んだ。
「あきさんすいません、ちょっと意地悪でした。俺のこと、嫌いにならないでくださいね?」
もう一度微笑めば、涙目で頷いてくれた。その反応に、無意識に笑みが出た。荒船さんは、急な接近に未だに固まっていて、両手はあきさんに触れるか触れないかの所を彷徨っている。それがまた可笑しかった。
「あんまりうかうかしてると、俺が仕留めちゃいますよ」
全然そんな気もないのに、そんな宣戦布告を告げて、その場を離れる。こんな可愛らしい人たちは、さっさと幸せになればいいのだ。もう一度2人を見れば、あきさんがばっと離れて頭を下げまくっていた。それに荒船さんがおろおろしている。くっつくのはもう少し先の話かもしれない。