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やばい。非常にマズイ。今私は哲次の家の、哲次の部屋にいるわけだけど。部屋の主は仁王立ちで私を見下ろしている。正座をさせられた私は、顔を上げられずに床を見つめていた。
「今日は何月何日だ」
「……9月の10日です」
「そうだな。俺の誕生日はいつだ」
「…………9月9日です」
背中を冷や汗がつたう。ちらっと哲次の顔を伺えば、笑っていた。目が笑ってないけど。ぶるっと身を縮こませてただ次の言葉を待つ。
「昨日はいい日だったなあ。隊の皆はサプライズで祝ってくれたし、本部歩けば皆「おめでとう!」って声かけてくれたし、同年代は色々くれたしな。カゲと鋼なんかお好み焼き奢ってくれたし。すげー美味かった」
「……本当によかったね」
「ああ。で? 俺の彼女のお前は昨日、どこでなにしてやがった?」
「……本当ごめんなさい非番で家帰ってゲームして寝てました!」
勢いよく土下座する。忘れてたわけじゃない、ただ昨日がその日だって気付けなかっただけで……! そんな言い訳をしたところで意味はないだろう。哲次はしゃがみこんで追い打ちをかけてくる。
「別にな、俺はプレゼントが欲しいとか、そんな子供みたいなことは言わねぇけどな? おめでとうくらいは、電話なりメールなりでしてくれると思ってたわけだ」
「ごめんなさい……」
「それが、日付過ぎても音沙汰なし。ケータイ見つめて日を跨いだ俺は馬鹿か?」
「本っ当にごめん! ごめんなさい!」
「許さん」
私からのメッセージを待っててくれた事実にキュンとしてしまったが、今はそれどころではない。ご立腹ご機嫌斜めの彼氏に、なんとかして許してもらわなければならない。
「申し訳ありませんでした! どうかお許しを!」
「許さん」
「なんでも! なんでもするから!」
「……………言ったなてめえ」
ゆらりと動いたと思えば、哲次は私の肩口を力強く押した。そのまま、仰向けに転がった私を横抱きに持ち上げた。突然の行動にぽかんとしていたが、哲次の足がベットに向いた所で状況を理解する。
「え!? ちょっ、待って待ってタンマ!」
「待たねえ」
「嘘嘘ウソウソ! ごめん、本当に勘弁して!」
ジタバタと身をよじっても哲次の腕からは逃れられなくて、そのまま乱暴にベットに放り投げられた。ギシッとベットが私の重みで沈み込む。哲次は私に覆いかぶさるように、ベットに上がってきた。足の間に足を差し込まれて、ゾクッと背筋を何かが走る。押し返そうとした両腕は片手で頭の上に抑え込まれてしまう。逃げられない。ドクン、ドクンと心臓が脈打ちクラクラする。哲次の顔がグッと近づく。怖さと高揚でどうにかなりそうだ。ギュッと目を瞑った。
はぁー、と顔にため息がかかる。恐る恐る目を開ければ、ちゅ、と額にキスを落とされた。そのまま、そっと体は解放されて離れていく。
「えっ? えっ?」
「なんだよ」
「えっと……その、しない、の?」
拍子抜けしてしまって、ベットの淵に座る背中にそんなことを訊いてしまう。哲次は振り向いてじっと私を見つめた。
「最初で最後の大事な体験を、こんな流れで貰うわけねーだろ」
バーカ、と言って微笑んだ彼の顔があまりに優しくて綺麗なもんだから、思わず見惚れてしまった。じんわりと胸が焦がされるように温かい。
「私、意外と哲次に大事にされてるんだね」
「今更かよ。意外は余計だ」
嬉しくて、愛しくて、哲次の首に抱きついた。哲次もそっと私の身体に腕をまわす。先ほどと違い、触れ合う体温がとても安心する。
「誕生日プレゼント、」
「う」
「あきの初めて、予約な」
俺にくれるよな? と耳元で囁かれて、真っ赤になって頷くしか出来なかった。
「今日は何月何日だ」
「……9月の10日です」
「そうだな。俺の誕生日はいつだ」
「…………9月9日です」
背中を冷や汗がつたう。ちらっと哲次の顔を伺えば、笑っていた。目が笑ってないけど。ぶるっと身を縮こませてただ次の言葉を待つ。
「昨日はいい日だったなあ。隊の皆はサプライズで祝ってくれたし、本部歩けば皆「おめでとう!」って声かけてくれたし、同年代は色々くれたしな。カゲと鋼なんかお好み焼き奢ってくれたし。すげー美味かった」
「……本当によかったね」
「ああ。で? 俺の彼女のお前は昨日、どこでなにしてやがった?」
「……本当ごめんなさい非番で家帰ってゲームして寝てました!」
勢いよく土下座する。忘れてたわけじゃない、ただ昨日がその日だって気付けなかっただけで……! そんな言い訳をしたところで意味はないだろう。哲次はしゃがみこんで追い打ちをかけてくる。
「別にな、俺はプレゼントが欲しいとか、そんな子供みたいなことは言わねぇけどな? おめでとうくらいは、電話なりメールなりでしてくれると思ってたわけだ」
「ごめんなさい……」
「それが、日付過ぎても音沙汰なし。ケータイ見つめて日を跨いだ俺は馬鹿か?」
「本っ当にごめん! ごめんなさい!」
「許さん」
私からのメッセージを待っててくれた事実にキュンとしてしまったが、今はそれどころではない。ご立腹ご機嫌斜めの彼氏に、なんとかして許してもらわなければならない。
「申し訳ありませんでした! どうかお許しを!」
「許さん」
「なんでも! なんでもするから!」
「……………言ったなてめえ」
ゆらりと動いたと思えば、哲次は私の肩口を力強く押した。そのまま、仰向けに転がった私を横抱きに持ち上げた。突然の行動にぽかんとしていたが、哲次の足がベットに向いた所で状況を理解する。
「え!? ちょっ、待って待ってタンマ!」
「待たねえ」
「嘘嘘ウソウソ! ごめん、本当に勘弁して!」
ジタバタと身をよじっても哲次の腕からは逃れられなくて、そのまま乱暴にベットに放り投げられた。ギシッとベットが私の重みで沈み込む。哲次は私に覆いかぶさるように、ベットに上がってきた。足の間に足を差し込まれて、ゾクッと背筋を何かが走る。押し返そうとした両腕は片手で頭の上に抑え込まれてしまう。逃げられない。ドクン、ドクンと心臓が脈打ちクラクラする。哲次の顔がグッと近づく。怖さと高揚でどうにかなりそうだ。ギュッと目を瞑った。
はぁー、と顔にため息がかかる。恐る恐る目を開ければ、ちゅ、と額にキスを落とされた。そのまま、そっと体は解放されて離れていく。
「えっ? えっ?」
「なんだよ」
「えっと……その、しない、の?」
拍子抜けしてしまって、ベットの淵に座る背中にそんなことを訊いてしまう。哲次は振り向いてじっと私を見つめた。
「最初で最後の大事な体験を、こんな流れで貰うわけねーだろ」
バーカ、と言って微笑んだ彼の顔があまりに優しくて綺麗なもんだから、思わず見惚れてしまった。じんわりと胸が焦がされるように温かい。
「私、意外と哲次に大事にされてるんだね」
「今更かよ。意外は余計だ」
嬉しくて、愛しくて、哲次の首に抱きついた。哲次もそっと私の身体に腕をまわす。先ほどと違い、触れ合う体温がとても安心する。
「誕生日プレゼント、」
「う」
「あきの初めて、予約な」
俺にくれるよな? と耳元で囁かれて、真っ赤になって頷くしか出来なかった。