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駅前のベンチ。寒空の下、恋人を待つ。公平はいつも時間ぴったりか、少し遅れてくる。それを分かってて、15分前には待ち合わせ場所にいるようにしている。待つ時間が、ワクワクして幸せだから。待ち合わせまであと5分。駅前はいつもよりも賑やかで、街はそこかしこがイルミネーションで彩られている。今日は12月24日、クリスマスイブ。世界中の恋人たちにとって、特別な日。きゅっ、とプレゼントの入った鞄を抱きしめる。喜んでもらえるかな。
「わり、遅くなった」
「ううん、今来たところだから」
到着した公平は、いつになくそわそわしている。
「じゃ、行くか」
照れ臭そうに差し出される手。手を繋げば、そのままポッケに導かれた。左手だけ、とても暖かい。2人で街中のイルミネーションをくぐり抜ける。
「いつもの、カフェでいいよな?」
「うん、それがいい」
2人でいつも行く、ちょっとオシャレなカフェ。変に背伸びするよりは、のんびり出来るしずっといい。公平とクリスマス一緒にいる、ってことが特別なんだから。商店街のはずれにある、シックな木のドアを開いた。店内はジャズアレンジされたクリスマスソングがかかっていて、いつもよりも混雑している。隅っこの、奥まった席に案内された。
「私クリスマスのスペシャルケーキ食べたい!」
「おー食え食え」
ポットの紅茶と、ケーキと、公平はカフェオレを注文した。メニューが片付けられて、テーブルはすっきりとする。
「じゃーん! 公平、クリスマスプレゼント!」
「早速かよ」
「だってケーキ来たらテーブル狭くなるじゃん」
ラッピングされた袋を手渡す。赤いリボンをほどき、中から黒い手袋が取り出された。
「お、これ指先だけ出せるのか」
「そうそう。便利じゃない?」
「そうだな。サンキュー」
公平は手袋をにぎにぎして、恥じらうように目線を下に落としている。公平からのプレゼントに期待しているのだが、いっこうに出てこない。
「…………公平、プレゼント用意してないの?」
「ある。ちゃんとある。待て」
公平はもったいぶりながら、小さな巾着袋を取り出した。
「?? なに?」
「手、出せ」
手の平を差し出せば、ころん、と巾着袋から銀色のリングがふたつ転がり落ちてきた。公平の顔を見れば、びっくりするぐらい真っ赤だった。
「これ、指輪?」
「…………ペアリング、なんだよ」
肘をついて斜め上を向いて、ぶっきらぼうにそう答えた。公平がお店でも恥ずかしがりながらこれを買っただろう光景が目に浮かんだ。なんだか、愛しさがこみ上げる。
「ねえ、結婚指輪?」
「ばっ、ちっげーよ!」
からかえば、真っ赤な顔で反論される。可笑しくて、可愛くて、嬉しくて。来年も、再来年も、その次の年も、ずっーと公平と一緒にいたいと思った。
「……結婚指輪だったらもっとちゃんとしたの贈るっつーの」
ぼそっと告げられた言葉に、今度は私が真っ赤になる番だった。
「わり、遅くなった」
「ううん、今来たところだから」
到着した公平は、いつになくそわそわしている。
「じゃ、行くか」
照れ臭そうに差し出される手。手を繋げば、そのままポッケに導かれた。左手だけ、とても暖かい。2人で街中のイルミネーションをくぐり抜ける。
「いつもの、カフェでいいよな?」
「うん、それがいい」
2人でいつも行く、ちょっとオシャレなカフェ。変に背伸びするよりは、のんびり出来るしずっといい。公平とクリスマス一緒にいる、ってことが特別なんだから。商店街のはずれにある、シックな木のドアを開いた。店内はジャズアレンジされたクリスマスソングがかかっていて、いつもよりも混雑している。隅っこの、奥まった席に案内された。
「私クリスマスのスペシャルケーキ食べたい!」
「おー食え食え」
ポットの紅茶と、ケーキと、公平はカフェオレを注文した。メニューが片付けられて、テーブルはすっきりとする。
「じゃーん! 公平、クリスマスプレゼント!」
「早速かよ」
「だってケーキ来たらテーブル狭くなるじゃん」
ラッピングされた袋を手渡す。赤いリボンをほどき、中から黒い手袋が取り出された。
「お、これ指先だけ出せるのか」
「そうそう。便利じゃない?」
「そうだな。サンキュー」
公平は手袋をにぎにぎして、恥じらうように目線を下に落としている。公平からのプレゼントに期待しているのだが、いっこうに出てこない。
「…………公平、プレゼント用意してないの?」
「ある。ちゃんとある。待て」
公平はもったいぶりながら、小さな巾着袋を取り出した。
「?? なに?」
「手、出せ」
手の平を差し出せば、ころん、と巾着袋から銀色のリングがふたつ転がり落ちてきた。公平の顔を見れば、びっくりするぐらい真っ赤だった。
「これ、指輪?」
「…………ペアリング、なんだよ」
肘をついて斜め上を向いて、ぶっきらぼうにそう答えた。公平がお店でも恥ずかしがりながらこれを買っただろう光景が目に浮かんだ。なんだか、愛しさがこみ上げる。
「ねえ、結婚指輪?」
「ばっ、ちっげーよ!」
からかえば、真っ赤な顔で反論される。可笑しくて、可愛くて、嬉しくて。来年も、再来年も、その次の年も、ずっーと公平と一緒にいたいと思った。
「……結婚指輪だったらもっとちゃんとしたの贈るっつーの」
ぼそっと告げられた言葉に、今度は私が真っ赤になる番だった。