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ふあー……眠い。学校で居眠りはしたけど、お八つ時を過ぎた今の時間帯は眠気を誘う。今日は狙撃手の合同訓練がある。欠伸をしながら、今日はどんな遊びをしようか考えていると、そわそわと落ち着きのない背中と出会った。おおよそ、狙撃訓練場には用がないような人物だ。
「よお、早乙女。こんなとこでどうしたよ」
「!!」
びくっと肩を揺らし、早乙女は振り向いた。めっちゃ驚いた顔してて面白い。彼女はスマホに文字を打ち出す。
『当真君か。こんにちは』
「おう。最近どうよ?」
『元気元気~。当真君はちゃんと授業聞いてる?』
「そいつは俺には無理だわ」
あちゃーと大袈裟に早乙女はリアクションを取る。豊かに動く表情は、喋れないことをカバーしていた。確か、「催眠誘発」とか言ったか。難儀なサイドエフェクトだと思う。けど、こいつの声を聴くと、そりゃあよく眠れるんだとか。ちょっと聴いてみてぇ。
「で、なにしに来たんだよ? お前は攻撃手だろ」
う、と一瞬早乙女の動きが止まる。それから、思いついたように指を動かす。
『美琴ちゃんの練習、たまには見てみようかと思って』
美琴、ってのは橘のことか。早乙女隊の狙撃手だ。
「ふーん?」
『な、なに』
そんなわけねぇだろ。本当は。じーっと見ていれば、左右に泳ぐ目。そいつに、正解を言ってやる。
「荒船に会いに来たんだろ?」
「!!!」
ガシャーンと早乙女はスマホを落とした。分かりやす過ぎんだろ。笑いをこらえながら、スマホを拾ってやった。
「…………」
「…………!?」
謝るジェスチャーをしながら手を伸ばす早乙女に意地悪をする。出来心だ。スマホを高い位置に持ち上げて取れなくする。
「…………!!」
「ほれほれ」
左右に揺らしてやれば、同じように手を伸ばす。背伸びしてジャンプしたって、こいつの背じゃ届きっこない。
「…………っ!!」
「ははは、猫みてーだな」
一生懸命に取ろうとする姿は、猫と似て愛くるしい。面白くなって調子に乗っていると、パシッと後ろからスマホを取り上げられた。
「!!」
「お、荒船」
「こんなとこでなに遊んでんだよ」
荒船は回収したスマホを早乙女に渡しながら、俺を睨む。怖い怖い。
「ちょーっとからかってただけだっつーの」
「ほう」
『荒船君、ありがとう』
早乙女が話し? かければ、ぱっと嬉しさと緊張がないまぜになった表情になる。荒船も分かりやすいな。
「あんま構うなよ。馬鹿がうつるぞ」
「おい。そりゃねーだろ」
早乙女は手を口に当ててクスクスと笑っている。これまた、嬉しそうに。よし、ここはひとつ、お膳立てしてやるか。
「今日荒船、絶好調だぜ。な?」
「は?」
不意のことに、荒船はまた俺を睨む。
『応援してるね』
「……おう。よく見とけ」
荒船は帽子を深く被り直し、ブースに入っていった。
「じゃ、荒船の応援頑張れよ~」
「!!」
顔を赤くして、違うと主張する早乙女にまた笑いがこみ上げる。控えめに言って、両想いなんだよなあ。いつくっつくのか、楽しみだな。
「よお、早乙女。こんなとこでどうしたよ」
「!!」
びくっと肩を揺らし、早乙女は振り向いた。めっちゃ驚いた顔してて面白い。彼女はスマホに文字を打ち出す。
『当真君か。こんにちは』
「おう。最近どうよ?」
『元気元気~。当真君はちゃんと授業聞いてる?』
「そいつは俺には無理だわ」
あちゃーと大袈裟に早乙女はリアクションを取る。豊かに動く表情は、喋れないことをカバーしていた。確か、「催眠誘発」とか言ったか。難儀なサイドエフェクトだと思う。けど、こいつの声を聴くと、そりゃあよく眠れるんだとか。ちょっと聴いてみてぇ。
「で、なにしに来たんだよ? お前は攻撃手だろ」
う、と一瞬早乙女の動きが止まる。それから、思いついたように指を動かす。
『美琴ちゃんの練習、たまには見てみようかと思って』
美琴、ってのは橘のことか。早乙女隊の狙撃手だ。
「ふーん?」
『な、なに』
そんなわけねぇだろ。本当は。じーっと見ていれば、左右に泳ぐ目。そいつに、正解を言ってやる。
「荒船に会いに来たんだろ?」
「!!!」
ガシャーンと早乙女はスマホを落とした。分かりやす過ぎんだろ。笑いをこらえながら、スマホを拾ってやった。
「…………」
「…………!?」
謝るジェスチャーをしながら手を伸ばす早乙女に意地悪をする。出来心だ。スマホを高い位置に持ち上げて取れなくする。
「…………!!」
「ほれほれ」
左右に揺らしてやれば、同じように手を伸ばす。背伸びしてジャンプしたって、こいつの背じゃ届きっこない。
「…………っ!!」
「ははは、猫みてーだな」
一生懸命に取ろうとする姿は、猫と似て愛くるしい。面白くなって調子に乗っていると、パシッと後ろからスマホを取り上げられた。
「!!」
「お、荒船」
「こんなとこでなに遊んでんだよ」
荒船は回収したスマホを早乙女に渡しながら、俺を睨む。怖い怖い。
「ちょーっとからかってただけだっつーの」
「ほう」
『荒船君、ありがとう』
早乙女が話し? かければ、ぱっと嬉しさと緊張がないまぜになった表情になる。荒船も分かりやすいな。
「あんま構うなよ。馬鹿がうつるぞ」
「おい。そりゃねーだろ」
早乙女は手を口に当ててクスクスと笑っている。これまた、嬉しそうに。よし、ここはひとつ、お膳立てしてやるか。
「今日荒船、絶好調だぜ。な?」
「は?」
不意のことに、荒船はまた俺を睨む。
『応援してるね』
「……おう。よく見とけ」
荒船は帽子を深く被り直し、ブースに入っていった。
「じゃ、荒船の応援頑張れよ~」
「!!」
顔を赤くして、違うと主張する早乙女にまた笑いがこみ上げる。控えめに言って、両想いなんだよなあ。いつくっつくのか、楽しみだな。