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私の初恋は、小学5年生の時。小さいのに運動神経が抜群で、それでいて偉ぶるような事はなく、はっきりと自分の意見を言うような子。名前は、風間蒼也くんという。私が体育のサッカーで派手に転んで、膝と鼻から血を流した時に、心配してくれてすぐに保健室に連れて行ってくれたのが、好きになったきっかけ。内気な少女だった私は、ものすごく恥ずかしかったのだが、「大丈夫か?」と優しく声をかけてくれて、涙目の私を見て、「それくらいで泣くなよ」と微笑んだ風間くんに、きゅんと胸を撃ち抜かれた。それから卒業まで、ずっと片想いをしていた。積極的に話すような事は出来なかったけど、近くにいれば話しかけてくれるくらいには仲が良かった。それだけで、充分心は満たされた。中学は別々で、私には告白する勇気はなかったので、私の初恋はそこで終わっている。でも、たまに夢に出て来るくらいには、今でも特別な男の子である。
懐かしの小学校の前を通ったら、甘酸っぱい記憶を思い出した。今の私は、リクルートスーツに身を包んでいる。私ももう21歳になった。もう、子供ではいられない。今日は就活で、界境防衛機関、通称ボーダーの、事務員の面接に来ている。私は結構地元愛が強いので、街を守る仕事はやりがいがあるんじゃないか、と思って応募した。鈍臭いので、戦闘員は無理だけど、事務仕事なら私にも出来るだろう。
「次の方、どうぞ」
「はい、失礼します」
返事をして、ドアノブに手を掛ける。大丈夫、いつも通りに。瞼を閉じて、集中する。目を開いたら、ゆっくり部屋に入った。
「ありがとうございました」
お辞儀をして、部屋を後にする。緊張したあ。後は結果を待つだけだ。出口は、こっちだっけ。
「!!……!?」
視界の端に、人影を捉えた。それは、あり得ないはずの人物で。まさか、いるわけないでしょ。だって、もう何年も会っていない。信じられないのに、身体は勝手にその背中を追いかけていた。
「風間くん!」
「!!」
手首を掴み、名前を呼ぶ。振り向いた顔は、間違いなく大好きだった彼だ。風間くんはぱちぱちと瞬きをする。今更、不安になる。私のこと、覚えているかな。
「えっと、誰だ?」
「あ……そうだよね、ごめんね、覚えてないよね!」
ガーンと頭を弾かれるようなショックだった。自分でも顔が引きつっているのが分かる。ああ、かっこ悪いな。力無く、手首から手を離した。すると、風間くんは手を握り返してきた。
「?」
「嘘だ、覚えている。久しぶりだな、早乙女」
ふっと風間くんは微笑んだ。その顔は、昔と全く変わってない。大好きな風間くんの笑顔だ。私の恋に、また火が灯るのを感じた。
懐かしの小学校の前を通ったら、甘酸っぱい記憶を思い出した。今の私は、リクルートスーツに身を包んでいる。私ももう21歳になった。もう、子供ではいられない。今日は就活で、界境防衛機関、通称ボーダーの、事務員の面接に来ている。私は結構地元愛が強いので、街を守る仕事はやりがいがあるんじゃないか、と思って応募した。鈍臭いので、戦闘員は無理だけど、事務仕事なら私にも出来るだろう。
「次の方、どうぞ」
「はい、失礼します」
返事をして、ドアノブに手を掛ける。大丈夫、いつも通りに。瞼を閉じて、集中する。目を開いたら、ゆっくり部屋に入った。
「ありがとうございました」
お辞儀をして、部屋を後にする。緊張したあ。後は結果を待つだけだ。出口は、こっちだっけ。
「!!……!?」
視界の端に、人影を捉えた。それは、あり得ないはずの人物で。まさか、いるわけないでしょ。だって、もう何年も会っていない。信じられないのに、身体は勝手にその背中を追いかけていた。
「風間くん!」
「!!」
手首を掴み、名前を呼ぶ。振り向いた顔は、間違いなく大好きだった彼だ。風間くんはぱちぱちと瞬きをする。今更、不安になる。私のこと、覚えているかな。
「えっと、誰だ?」
「あ……そうだよね、ごめんね、覚えてないよね!」
ガーンと頭を弾かれるようなショックだった。自分でも顔が引きつっているのが分かる。ああ、かっこ悪いな。力無く、手首から手を離した。すると、風間くんは手を握り返してきた。
「?」
「嘘だ、覚えている。久しぶりだな、早乙女」
ふっと風間くんは微笑んだ。その顔は、昔と全く変わってない。大好きな風間くんの笑顔だ。私の恋に、また火が灯るのを感じた。