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絶対に負けたくない相手なんざ、誰にだっているだろ。俺にとっては、鼻持ちならないあの帽子野郎なだけだ。
「よぉ、荒船クン。最近調子はどーですかぁ?」
「…………早乙女」
ボーダーのラウンジ、行儀良く制服姿でお勉強中の荒船に声をかける。目的は2つ、一つは作業の妨害、もう一つはいつもの確認だ。
「そろそろ俺に、銃の扱い方の教えを乞いにきてもいいころじゃねーの? 天才秀才荒船クンさぁ」
「お前が思うほど、天才でも秀才でもねーよ。ひとりぼっちの、哀れなA級お一人様」
「はん。俺は一人で充分なんだっての! 気楽でいいぜ、なんせA級なもんでな」
「人望なくてフラフラしてるだけだろ。嫌われ者」
「あぁ? 誰に向かって言ってんだよ。攻撃手界隈からも狙撃手界隈からも後ろ指刺されてんぞ」
一瞬でも負けないように、ツラツラとチクチクと言葉を連ね、突き放していく。目線は決して離してはやらない。
「俺の野望には関係ねぇな。早乙女こそ、さっさと俺のマニュアルの実験台になりやがれ。あとは狙撃手だけなんだろ? お偉いA級様々は」
「死んでもごめんだな。少なくとも、お前のマニュアルで習得なんてしてやらねー」
しばらく睨み合い、どちらともなく視線を離した。今日はこのくらいにしておこう。ラウンジは目立つし、話は今回も平行線だ。さっさと俺に従えばいいのに。
さっさと俺に従えばいいのに。早乙女あきという男は、俺と同い年の厄介者だ。柄が悪く、残念なことに話す内容に嘘はない。実際に早乙女はA級ソロの万能手だ。元々は草壁隊の所属だ。緑川の入隊と入れ替えで抜けた。建前は「受験勉強の為」とかだが、あいつは単に負けただけだ。里見一馬という後輩に。銃手として里見を超えられなかったから、万能手に転向し、向き合うのすら辛くなって逃げ出した。そんな腐り切った男に、俺が教わることなんざ一つもねぇ。……本音を言えば、俺はあいつに憧れてた。早乙女の銃捌きは、鮮やかで華麗だった。俺は、こんなことにならなければ、素直にあいつの指導を受けただろう。けれど、早乙女は落ちぶれた。俺はそれが許せない。
(俺が勝手に憧れて、失望しただけだけど)
あんな早乙女あきには、負けたくないし負ける気もしねぇ。だから俺は、堂々と粛々とやるべきことをやる。いつかあいつの目が覚めた時、背中を見せられる男でいたいだけだ。
(それまでにウザ過ぎて手が出そうなのは、我慢!!)
「よぉ、荒船クン。最近調子はどーですかぁ?」
「…………早乙女」
ボーダーのラウンジ、行儀良く制服姿でお勉強中の荒船に声をかける。目的は2つ、一つは作業の妨害、もう一つはいつもの確認だ。
「そろそろ俺に、銃の扱い方の教えを乞いにきてもいいころじゃねーの? 天才秀才荒船クンさぁ」
「お前が思うほど、天才でも秀才でもねーよ。ひとりぼっちの、哀れなA級お一人様」
「はん。俺は一人で充分なんだっての! 気楽でいいぜ、なんせA級なもんでな」
「人望なくてフラフラしてるだけだろ。嫌われ者」
「あぁ? 誰に向かって言ってんだよ。攻撃手界隈からも狙撃手界隈からも後ろ指刺されてんぞ」
一瞬でも負けないように、ツラツラとチクチクと言葉を連ね、突き放していく。目線は決して離してはやらない。
「俺の野望には関係ねぇな。早乙女こそ、さっさと俺のマニュアルの実験台になりやがれ。あとは狙撃手だけなんだろ? お偉いA級様々は」
「死んでもごめんだな。少なくとも、お前のマニュアルで習得なんてしてやらねー」
しばらく睨み合い、どちらともなく視線を離した。今日はこのくらいにしておこう。ラウンジは目立つし、話は今回も平行線だ。さっさと俺に従えばいいのに。
さっさと俺に従えばいいのに。早乙女あきという男は、俺と同い年の厄介者だ。柄が悪く、残念なことに話す内容に嘘はない。実際に早乙女はA級ソロの万能手だ。元々は草壁隊の所属だ。緑川の入隊と入れ替えで抜けた。建前は「受験勉強の為」とかだが、あいつは単に負けただけだ。里見一馬という後輩に。銃手として里見を超えられなかったから、万能手に転向し、向き合うのすら辛くなって逃げ出した。そんな腐り切った男に、俺が教わることなんざ一つもねぇ。……本音を言えば、俺はあいつに憧れてた。早乙女の銃捌きは、鮮やかで華麗だった。俺は、こんなことにならなければ、素直にあいつの指導を受けただろう。けれど、早乙女は落ちぶれた。俺はそれが許せない。
(俺が勝手に憧れて、失望しただけだけど)
あんな早乙女あきには、負けたくないし負ける気もしねぇ。だから俺は、堂々と粛々とやるべきことをやる。いつかあいつの目が覚めた時、背中を見せられる男でいたいだけだ。
(それまでにウザ過ぎて手が出そうなのは、我慢!!)